ミドリガメはビオトープで飼育できるかな?
ミドリガメの “ビオトープ”
まだ飼っていない方は、飼わないように
今でも夏や秋のお祭りの縁日で「カメすくい」を見かけますが、ミドリガメは生態系を脅かす恐れがあるため「特定外来生物」に指定され、2014年1月、環境省はミドリガメの輸入や飼育を原則禁止とする方針を固めました(現時点では飼育禁止は後まわし)。そのため、すくう楽しさだけを味わうならいいですが、今からミドリガメを飼うことはおすすめしません。
※2018年1月現在、ミドリガメは緊急対策外来種と位置付けられています
ミドリガメの寿命は30年程度。子どもが自立して家を出たとしても、ミドリガメは残ることになります。甲羅は30cmくらいの大きさになり、飼うのもけっこう大変です。縁日で子どもにせがまれても、心を鬼にして、すくう遊びだけを楽しむようにしてください。
カメ用ビオトープづくり
2014年9月末、悩んでしまいなかなか実行に移すことのできなかったミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)のビオトープづくりに挑戦してみることにしました(※生態系の構築は難しいので、正確にはビオトープではありませんが、少しずつ近づけていけたらという想いも込めて「ビオトープ」としています)。ミドリガメをビオトープで育ててみようと思ったのは、
① カメが大きくなってきて、今までのケースが小さくなった
② 室内で飼っていたが、飼育ケースを大きくすると室内で飼いづらい
③ 特に夏場は水が臭くなる
④ 水の入れ替えが大変。特に冬は寒く、飼育ケースを大きくすると重い
ということが、ピオトープにすることによって解決できるとともに、ミドリガメもより自然な環境で飼育できるのでは、と思ったためです。しかし、なかなか踏み切れなかった大きな原因のひとつが “越冬(冬眠)” でした。
関東あたりの冬でも11月を過ぎるとかなり寒くなるため、カメは冬眠して冬を越します。検索していろいろなサイトを見ても、「簡単にできた」というものから、「止めた方がいい」というものまでさまざまで、失敗した場合はミドリガメの死を意味するため、やっていいものかの確信が得られませんでした。
あまりに小さいミドリガメの場合は冬眠させない方がいいようですが、すでに8年ほど飼育していて甲羅も10cm以上となり、大きさとしては大丈夫そう。冬だけは室内で飼うべきかなども検討しましたが、まだ暖かい日が続くうちに少しずつ外の環境に慣れた方がいいと思い、2014年9月末にピオトープをつくり、そこで飼いはじめました。
総額約5,000円の広い新居
新しい飼育ケースは「プラ舟(ぷらぶね)」というプラスチックのケースで、サイズ(外寸)が約50cm×73cmほどのもの。ホームセンターや大きめのガーデニングショップ、ネットなどで3,000円〜4,000円程度で購入できます(もっと大きなサイズもあります。そして、もっと大きくても良かった)。
そのプラ舟に、以前子どもが学校の遠足で持って帰ってきた河原の石を入れ、半分が陸地、半分が水になるよう、土が流れ込まない仕切りを設けました。土はメダカのビオトープでも使った「荒木田土」(10リットルで1,000円くらい)。田んぼの土なので微生物も多く、カメにもいいかと思って使用しました。
土には2つほど水性植物(季節はずれの50%OFFで2つ合わせて700円程度)を植え、またカメが陸に登りやすいよう、以前旅行に行ったときに海から拾ってきたアワビの貝殻を入れたら、陸地ができる程度にまで水を入れ、これが正しいかはわからないけれど、とりあえずビオトープが完成!
水が土で濁っているため数日おいて水がきれいになってからミドリガメを入れようと思ったら、子どもがさっさと移してしまいました。頭を出さないとミドリガメがいるかどうかわからないのですが、ぴょこんと頭を出した姿は思ってたいた以上に可愛く、広くなった新居を喜んでいるような気もします。しかし冬眠しやすいように、もっと土や枯れ葉などを入れてあげる必要があるかと思っています。
引っ越し1週間で気が付いたこと
数日経って気が付いたことは、カメはよく動くので、なかなか水がきれいにならないということと、やはり水は臭くなるということ。ビオトープにしたことで、あわよくばメダカのビオトープのように水の入れ替えをしなくても自浄作用できれいな状態を保てればと思ったのですが、特に夏場は水の入れ替えは必要です。エサの問題かもしれないので、あまり臭いのしないエサを与える、カメが残したエサを食べてくれたり、お掃除してくれる別の生き物と共生させる(カメに食べられない生き物にする必要がある)など、いろいろ試してみる必要がありそうです。
一方、ミドリガメは雑食なため「水生植物を入れると全部食べちゃう」と聞いたことがあるのですが、今のところ食べられている気配はありません。植物の種類によるのかもしれませんが(※後に全部食べられました)。
そして室内で飼っていたときは気が付かなかったのですが、意外と警戒心が強く、なかなか陸地にはあがりません。たまにあがっていても、人の気配がするとサッと水の中へ逃げてしまいます。また人との接点が以前より少なくなったためか、より野生化しているような気がします。
しかしカメのビオトープも、水草や水がきれいで、ミドリガメが優雅に泳いでくれるなら、特に夏場などは見ていて楽しそうです。きれいに維持していくのが、どれくらいの手間ひま、コストがかかるか、そして越冬について、しばらくレポートしていきます。
【レポート】ミドリガメの飼育と越冬 ミドリガメただいま冬眠中
【レポート】ミドリガメ1年目の冬眠の結果についてはこちら!
【レポート】ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の飼い方はこちら!
【レポート】メダカの住むビオトープのつくり方はこちら!
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