
「日本の技体験フェア」プレイベント開催! 歌舞伎の背景画を製作!
3,000名が来場! 日本の伝統技術を体験できる大人気イベント!
『日本の技体験フェア』は、日本の大切な財産である文化財を未来に残していくために、脈々と受け継がれてきた文化財の保存技術の大切さや、伝承者の養成、文化財の修理や原材料、道具などに関する現状を広く一般に紹介するとともに、次世代の担い手やサポーターを増やすことを目的に、2003年より全国各地で毎年実施しているイベントです。
2015年は島根県出雲市で開催し、2日間で延べ3,000名を超える来場者がありました。今回は2016年10月22日(土)・23日(日)の2日間、群馬県前橋市のヤマダグリーンドーム前橋にて開催します。
歌舞伎の演目『道成寺』で使えるような、満開の桜の背景画をつくろう!
10月9日(日)に開催されたプレイベントでは、日本を代表する伝統芸能「歌舞伎」の小道具、衣裳、大道具(背景画)の展示および、それぞれの製作技術者のトークイベント、そして歌舞伎の演出を盛り上げ、役者の魅力を最大限に引き出す重要な大道具「背景画製作」が行われました。

「この着物で10kgほどあります。歌舞伎の衣装は重いんです」など、衣裳について紹介してくれた歌舞伎衣裳製作修理技術保存会の辻正夫さん

歌舞伎の小道具について紹介してくれた歌舞伎小道具製作技術保存会の湯川弘明さん(写真左)。写真は「東海道四谷怪談」に使われる「抱き人形」。可愛らしい赤ちゃんが一瞬で‥‥

お地蔵さんに早変わり。時計のゼンマイやネズミ取りのバネなどを利用してつくっているそうです

歌舞伎の背景画を紹介、本日のワークショップの講師をしてくれた歌舞伎大道具(背景画)製作技術保存会の岩瀬道博さん
挑戦した背景画は、2メートル四方の大きなパネル2枚に満開の桜を描くというもので、歌舞伎の演目『道成寺』(『娘道成寺』とも言う)の背景画の桜をお手本に、参加者が一枚一枚花びらを描き加えました。

2m四方のパネルが2枚。あらかじめ桜が描かれていますが、ここに花びらを描いていきます

まずは岩瀬さんのお手本。「花びらはすべて正面に描きますが、いろいろな角度に見えるように」と説明してくれましたが、初心者にはちょっと難しいですよね‥‥
背景画は1時間30分ほどかけて完成させるもので、何人でも途中参加が可能。ショッピングに来た子ども連れのご家族が次々と参加していました。
ひとりで何十分も黙々と花びらを描き続ける子や、独創的な花びらを描く子などいろいろなお子さんがいましたが、みんな製作技術者の岩瀬道博さんの説明を聞いて、真似して、真剣に、そして楽しそうに取り組んでいました。

岩瀬さんに教えてもらいながら一生懸命に描きます
岩瀬さんは「10年くらい描いて一人前。アーティストのような自己表現ではなく、古くから決まっているルールの中でどうしていくか、コピーはすればするほど劣化するので、技術的にもモチベーション的にも、より良いものを目指さないと現状のクオリティすら維持できない。そこがおもしろい」と、この仕事の楽しさを教えてくれました。
そして「『日本の技体験フェア』には伝統技術に興味のある子どもたちがたくさん来るので楽しみ」と開催を心待ちにしていまいた。
プレイベントで完成した作品は『日本の技体験フェア』の会場に展示されるほか、『日本の技体験フェア』当日も背景画製作をはじめ、金箔の貼り付け、檜皮葺き、瓦の型抜き、そして毎年人気の、木枠づくり、彩色、組子、左官などさまざまな伝統技術を体験しながらひとつの壁掛けを製作する体験ラリーも実施! 普段なかなか体験できない、しかし私たちの身近に古くからあるモノや技術に触れ合える貴重で楽しい機会です。
『日本の技体験フェア』は2016年10月22日(土)・23日(日)の2日間、群馬県前橋市のヤマダグリーンドーム前橋にて開催!

みんな黙々と描いていますね。実際の背景画は横12mほどで、10人で2〜3日かけて完成させるそうです

使用している絵の具は、牡蠣の貝殻からつくった特殊なもの。さらっとしているけれど、白が美しいしっかり塗れる絵の具です

道行く子どもたちが興味をそそられ次々に参加。桜の花びらがかなり賑やかになってきました

洋服が汚れてしまうのも気にせずトライ! 上手にできたかな?

いよいよラストスパート! 服に絵の具が付かないよう、ポリエチレンのつなぎの貸し出しもしてくれていました

ようやく完成! 後ろの本物の背景画と比べて、出来はどうでしょうか? 賑やかさと個性では負けてないかな?

『日本の技体験フェア』で人気の体験ラリーで制作できる「壁掛け」。木枠づくり、彩色、組子、左官などさまざまな伝統技術が体験できます
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