2017年8月26日(土)全国ロードショー!
関ヶ原
2017年/日本/カラー
配給:東宝=アスミック・エース
© 2017「関ヶ原」製作委員会
鑑賞日:2017年8月4日(金)
TEXT:キッズイベント 高木秀明
戦国時代好きは必見!
個性豊かな武将たちの”思惑”も描く
夏休みも終わりが近づく8月26日(土)から公開されるのが、日本史上最大の合戦「関ヶ原の戦い」を、かつてないスケールで描いた映画『関ヶ原』。2時間29分と長尺だが、歴史がちょっと苦手な子どもたちも、テレビで見慣れた人たちがたくさん出ているので、戦国時代の登場人物や流れがざっくりわかり、歴史に興味が出るかなと、そんな目線で観てみました。
結論から言うと、それにはちょっと不向き。セリフ回しのテンポが早く、登場人物や話の流れをある程度理解していないと、ついていけない。そして少々残念だったのは、セリフが聞き取りづらかったこと。普段聞き慣れない時代劇ならではの言葉づかいや、たとえば豊臣秀吉は名古屋弁だったり、戦いなので声を荒げていたり、焦りの表現で早口だったり、展開をテンポ良く、というのもあると思うが、セリフを聞き取ることにかなりの意識を使った。
しかし逆に歴史が好きで登場人物や話の流れが頭に入っていれば、教科書でしか知らない登場人物の人となりをリアルに感じることができて楽しめる。特に岡田准一さん演じる “義を貫く” 石田三成と、役所広司さん演じる “したたかな狸親父” 徳川家康との心理戦や、秀吉に「三成に過ぎたるもの」のひとつと言われた平岳大さん演じる三成の家臣 島左近の男気などは、今後その名前を耳にすると『関ヶ原』のシーンが脳裏に浮かぶようになりそうだ。
映画は『誰もが知る「関ヶ原の戦い」の誰も知らない「真実」』とあるように、たとえば “裏切り者” として知られる小早川秀秋の異なる一面も描かれている。「医学天正記」という当時の医師が書いたカルテによると、秀秋は関ヶ原の戦いの際にはすでに過度な飲酒により肝硬変を煩い、そこから発症した肝性脳症により判断力が低下していた、とも考えられている。
何が彼を “裏切り者” たらしめたかは今となっては不明だが、わかっていない部分を想像で補い、こんなことを考えていたんじゃないか、こんなことがあったんじゃないか、というのを見せてくれるのが歴史小説や映画のおもしろさ。映画での小早川秀秋の解釈にも注目。自分の考えと比較してみるのも楽しい。演じたのは東出昌大さん。小早川秀秋の決断が東軍の勝利に貢献し、いま、私たちが生きている時代を形づくっている。
映画としては初めて撮影許可がおりた東本願寺・大寝殿での撮影など本物のロケーションにこだわった映像、50名はいるかと思われる東軍、西軍それぞれの豪華主要キャスト、エキストラ3,000人、400頭にもおよぶ騎馬や鉄砲隊が入り乱れる合戦シーンなどはとにかく壮観の一言。大スクリーンで観れば、その場にタイムスリップしたかのような臨場感が味わえる。戦国時代好きにはおすすめの一本。(キッズイベント 高木秀明)
【映画紹介・予告編】関ヶ原 2017年8月26日(土)全国ロードショー!
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