ミドリガメの越冬を達成
冬眠中の環境について
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ/緊急対策外来種)の飼育を室外(ベランダ)でできないものか、そして冬は冬眠して越冬してくれないかと考え、2014年9月末、カメも随分と大きくなったので思い切って室外飼育に踏み切り、はじめて越冬を行ないました。
【レポート】「ミドリガメの室外飼育と越冬」の環境・経緯はこちら!
暖かくなった2015年春、冬眠から醒めて水からぴょこんと頭を出したミドリガメを見たときは、安心するとともに、自然との関係や生物の生命力はすごいなと感動しました。その後も毎年無事に越冬を繰り返し2018年を迎え、今まさに春に向けて冬眠中ですが、その環境は毎年異なっています。
2014年に用意した「ミドリガメのビオトープ」は、約50cm×73cmの「プラ舟(ぷらぶね)」に「荒木田土」と水性植物を入れ、ミドリガメは土の中で冬眠しました。しかし土はミドリガメが動くため常に濁っていたり、水の入れ替えのたびに少しずつ流れてしまい、2度目の冬眠を乗り越え、3度目の冬眠を迎える2016年の年末にはすっかりなくなってしまいました。
冬眠に向けて新たに土を購入するか迷いましたが、土は重くて水の入れ替えや掃除が大変なのでビオトープから土をなくし、石と水だけの環境としました。植物も結局全部食べてしまうので、なし。味気ない環境ですが、水と甲羅干しができる石のみに。
しかし冬眠するのに水深の浅い水だけではかわいそうなので、3回目となる2016年末は近所からイチョウの落ち葉を集めてそれを寝床としました。プラ舟にたっぷりイチョウの落ち葉を入れ、水も多めに入れたところ、春には無事起きてきました。
予想と違ったのは、冬でも水に濡れた葉は腐るということ。落ち葉でもイチョウの葉には油分が多く含まれているから腐りづらいと思っていましたが、水は紅茶のような色になり、春近くには少し臭いも出てきていました。
そこで2017年末〜2018年春に挑戦しているのが、桜の落ち葉と水を少なめにしたもの。水も灯油ポンプとしておなじみの “醤油チュルチュル” を使って汚れてきたら取り替えています。
水を少なめにしたことで、落ち葉をよけると冬眠しているミドリガメを確認することができます。春に元気な姿を見せてくれるよう願いつつ、このまま静かに見守ることにしましょう。
カメ冬眠中の呼吸はどうしてる?
カメの冬眠のメカニズム
体温を外の気温に頼り、自ら調節することのできない変温動物のカメは、気温の降下にともない体温と体の機能も低下し仮死状態になります。この状態で越冬することが「冬眠」です。カメの場合、気温や水温が15度以下になると活動が鈍くなり、5度前後になると冬眠をはじめるようになるそうです。
うちにいる2匹のミドリガメも、1匹は早々に冬眠状態に入りましたが、もう1匹は12月中旬ごろまでノソノソと動いていました(2017年12月の平均最高気温は11.1度、最低気温は2.7度)。
冬眠する場所は野生の場合、水底の土中やたまった落ち葉のなか、水辺近くの土に穴を掘って潜ります。ここでひとつ疑問が浮かんできます。そう、カメは肺呼吸をしているので、水中で冬眠している際の呼吸はどうしているのか、ということです。
通常カメは定期的に水面に顔を出して呼吸をします。しかし冬眠中はこのような息継ぎはせず、皮膚や粘膜から水中に溶けている酸素を取り入れる皮膚呼吸をしています。仮死状態では必要とする酸素が少なくてすむため、皮膚から取り入れる少ない酸素量でも生きていけるそうです。
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