2018年/日本/カラー/62分/日本語・英語字幕付き
監督:笠谷圭見
出演者:小出由紀子(アートディーラー)、エドワード M.ゴメズ(「RAW VISION」編集局長)、向井秀徳(ミュージシャン/ZAZEN BOYS)ほか
最前衛のアーティストたちの
抑えきれないリビドー(衝動)を描く
知的障がいや精神疾患を持つアーティストたちによる創作物の魅力を、アウトサイダーアートに造詣の深いジャーナリストや美術関係者などのインタビューを交えて紹介するドキュメンタリー映像作品『地蔵とリビドー』が、2018年11月10日(土)に東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて公開されます。
・上映開始:2018年11月10日(土)〜
・上映時間:10:50〜、21:10〜(1日2回)
※舞台挨拶:2018年11月10日(土)・24日(土)いずれも21:10〜(登壇者未定)
映画『地蔵とリビドー』は、滋賀県にある障がい者施設「やまなみ工房」に通所するアーティストたちのユニークな創作スタイルや、工房で過ごす彼らの日常の様子を約1年にわたり取材して製作したドキュメンタリー。「フィラデルフィア・アジアン・アメリカン映画祭2018」にも正式招待されている。
日本ではほとんど語られてこなかった知的障がいや精神疾患を持つアーティストたちによる創作物の魅力を、“アウトサイダー・アート※” に造詣の深いジャーナリストや、海外の美術関係者などのインタビューのほか、障がいを持つアーティストが自ら語る「精神状態と創作の関係性」など、彼らの切実な表現欲求の根源に迫ります。
※アウトサイダー・アート
正統な美術教育を受けていない人が制作したものではあるが、アートとして扱われている作品のこと。フランスのジャン・デュビュッフェが1945年に「アール・ブリュット(生の芸術)」と呼んだことがはじまりで、「アウトサイダー・アート」はその英語版。2010年代には日本のアウトサイダー・アートとして障がい者の芸術が海外で展示され好評を得たことから、日本でもその認識は高まっている。
障がいは個性か!?
ありのままの姿を映し出す
寝転びながら割り箸と墨汁だけで大胆な人物画を描く人。「目、目、鼻、口‥‥」と呪文のように唱えながら土の塊に無数の穴を開ける人。粘土の一粒一粒に恋慕の念をこめて「すきなひと」の姿を形に留める人。
独創的なアート作品を生み出し続ける障がい者施設として、いま世界的な注目を集めている「やまなみ工房」。そこに通所するのは、知的障がいや精神疾患を持つアーティストたち。『地蔵とリビドー』では、彼らが実名で登場し、その日常が包み隠さず描かれています。
作品がいつ完成するのか、それは彼ら自身にもわからない。作品が誰にどう評価されるのか、彼らはまるで関心がない。ただ衝動のままに創作し続ける彼らの姿がそこにあるだけ。ひとつ事実として言えるのは、作品が彼らと他者との確かな結節点となっていることだ。
上映にあわせてTRUNK HOTEL(渋谷)にて、映画にも登場するやまなみ工房の作品を展示する『地蔵とリビドー展』を開催!
開催時期:2018年11月17日(土)〜11月23日(金・祝)9:00〜23:00
やまなみ工房
滋賀県甲賀市の障がい者施設。現在88名の通所者がそれぞれ独自のスタイルで表現活動を行っている。一人ひとりの個性や楽しみ、そして生きがいを保障し、その取り組みは全国でも珍しく、実践や実績において今日では国内の障がい者芸術を牽引。国内外で作品を発表するほか、スイス「アールブリュットコレクション」やフランス「ABCDコレクション」等、世界的に有名なコレクションに作品が収蔵されるなど、世界的な注目を集めている。
公式ウェブサイト:http://a-yamanami.jp/
監督プロフィール
笠谷圭見(かさたに よしあき)RISSI INC. クリエイティブディレクター。
障がい者施設で生み出される創作物の魅力を社会に発信するプロジェクト「PR-y」を主宰し、国内外のギャラリーや研究機関・教育機関などとの橋渡しを手がける。2013年より「DISTORTION」というコンセプトワードを掲げ、写真・映像・ファッション・インスタレーションなど、さまざまな領域で障がい者とのコラボレーションによる表現活動を行なっている。
PR-y公式ウェブサイト:https://pr-y.org/
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