「みんなのうた」の名曲がミュージカルに!
ゾンビの女の子と人間の男の子の友情を描く
2022年8月20日(土)から日生劇場で上演されるミュージカル『リトル・ゾンビガール』のゲネプロ(最終リハーサル)を観て来ました!
『リトル・ゾンビガール』はNHK「みんなのうた」の歴代の名曲を全編に散りばめたオリジナル・ミュージカルで、人里離れた森で暮らすゾンビの女の子・ノノと、街で暮らす人間の男の子・ショウとの小さな友情の物語。
主人公のノノは髙橋ひかるさんと熊谷彩春さん、ショウは石井杏奈さんと伊藤理々杏さんのダブルキャスト、そして髙橋ひかるさんと石井杏奈さんはミュージカル初挑戦ということも注目されています。
【イベント紹介】2022年8月20日(土)~28日(日)上演! 日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022 NHKみんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』
子どもたちも安心! 怖くないかわいいゾンビ
ダブルキャストはそれぞれに異なる魅力が!
“ゾンビ” と言うと怖いイメージがあるかもしれませんが、ノノはとてもかわいいゾンビ。他のゾンビたちもカラフルできれいな衣装を身につけていて、子どもたちも安心して観られます。200年前の人間との戦争に敗れ森でひっそりと暮らしていましたが、突然人間が森にやってくる。ゾンビの住む森を守るため、人間と再び戦うことになってしまうのか‥‥?
ダブルキャストの組み合わせは、髙橋ひかるさんと石井杏奈さんのミュージカル初挑戦組、そして熊谷彩春さんと伊藤理々杏さん。
髙橋ひかるさんはテレビではなかなか見られない憂い顔や弾ける笑顔などコロコロ変わる豊かな表情が魅力的、そして石井杏奈さんはダイナミックなダンスと初挑戦とは思えない堂々としたたたずまい。2人とも初々しさもあり、とても素敵でした。
熊谷彩春さんはミュージカル女優として活躍しているだけありさすがの歌唱力と表現力。伊藤理々杏さんもそれに負けない歌と迫真の演技、何より華があって惹きつけられました。それぞれに異なる魅力があり、どちらもたっぷり楽しむことができました。
また、広い舞台上を縦に横にところ狭しと駆けまわり、いろんなところから登場したり、上からひょっこり顔を出していたり。一度観ただけでは全部は観きれないし気がつかないことも多そう。前の席、後ろの席、2階席と視点を変えることで気づきや見え方にも変化があり、ダブルキャストはもちろん、何度でも楽しめます。
楽しくておもしろい、そして心に響く
千葉、兵庫、大分、岩手、大阪でも公演!
新型コロナウィルスの影響で上演が2年も延期になりましたが、まさに今、子どもたちに観て欲しい物語。違いを認めること、戦争の愚かさを問うてはいますが、「みんなのうた」がそんなメッセージを優しくオブラートに包み、子どもたちは楽しみ、大人には深く心に響く作品になっています。正直、何度も目が潤んでしまいました。
そして「みんなのうた」が、自分の記憶にも深く刻み込まれていることを改めて実感しました。劇中に流れる数々の名曲はもちろん、上演前の会場内でも「北風小僧の寒太郎」「メトロポリタン美術館」「ぼくはくま」「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」「しあわせだいふく」などがBGMで流れていて、会場に入ると親御さんは昔を思い出したり童心に帰ったり、子どもが小さかった頃を思い出したりすることでしょう。
観劇後、子どもたちは「WAになっておどろう ~イレ アイエ~」を楽しそうに歌っていましたが、帰り道、頭の中に流れたメロディーは「いきものがかり」の水野良樹さんが作詞・作曲した、このミュージカルの主題歌「夜明けをくちずさめたら」でした。多様性を認め合うことをテーマにした暖かくも切なく優しいバラードです。
ミュージカル『リトル・ゾンビガール』の推奨年齢は6歳以上。公演を楽めるだろうと思われる年齢の目安です。上演時間は途中休憩を入れて2時間ですが、舞台がはじまると一気に物語に引き込まれ、子どもでも時間は気にならないと思います。観た後には親子でいろいろな話ができそうな、とてもいい舞台でした。
日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022 NHKみんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』は、2022年8月20日(土)~28日(日)に日生劇場で上演! その後、千葉、兵庫、大分、岩手、大阪でも公演!
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