めちゃくちゃアクティブなガーフィールド
こんなに動けたんだ! 人間くさいところも魅力
ー いよいよ声優を務めた映画『ねこのガーフィールド』が8月16日(金)に公開します。声優に決まったときはどんな気持ちでしたか?
山里亮太さん
大役なのでめちゃくちゃプレッシャーを感じました。今でもまだ、この声がガーフィールドの口から出てきていいのかなと心配で、ドキドキしています。
MEGUMIさん
ガーフィールドは息子が小さいときに、毎日一緒に観ていた作品なんです。朝起きたらテレビをつけてカートゥーンネットワークで『ガーフィールド・ショー』を観ていて、私はそのときにご飯をつくって、できたら一緒に観ながらご飯を食べるというのがルーティーンでした。
子どもはもう大きくなったので、そのときのことを思い出して勝手にエモーショナルになったりするんですが、それくらいこの作品に参加できるのは感慨深く、とても光栄だと思っています。
【映画紹介】2024年8月16日(金)より全国の映画館で公開! ねこのガーフィールド
ー 山里さんがガーフィールドに対して持っていたイメージと、実際に演じてみてイメージが変わったところはありましたか?
山里亮太さん
ぐうたらで太々しいと思っていたんですが、今回はめちゃくちゃアクティブなんですよね。動きまわって叫びまわってアクションしまくるんで、“こんなに動けたんだ!” って思いました。全然ぐうたらしていないんですよ。
そしてすっごく人間くさいところがあるんです。悩みだったり人とのぶつかり方だったり、これって自分もやってたなって共感できることも多くて、自分も含めていろいろな人の悩みがギュッと凝縮しているところがあって、それがすごくいいなって思いました。
ー MEGUMIさんはガーフィールドの敵役となるジンクスをはじめて見たときどう感じましたか?
MEGUMIさん
悪役なんですが、過去に負った傷があったり本当はチャーミングだったりというのをきちんと表現したい、オリジナル版の声優の方の声もそうですが、高くなったり低くなったり、ふざけたり笑ったりモノマネしたり、コロコロと声が変わるので、そこはすごく大事にしたいと思いましたし、共感できるところがあるなと感じました。
収録が進むにつれて
MEGUMIさんの声が入ってくるプレッシャー
アフレコは別々でよかった?!
ー ご自身の声が入った吹替版は、どのような仕上がりになっていると思いますか?
山里亮太さん
この作品を最高のものにするという熱量のあるスタッフの方々が集まって、何回も声のパターンを撮ってくれて、あれだけやりましたし、とにかくもともとのお話がとてもおもしろいので、すごくいい仕上がりになっていると思います。
MEGUMIさん
山ちゃんが先にアフレコをしていたので、私は山ちゃんの声を聞きながら収録できたんですが、とても痛快なガーフィールドになっていると思っています。山ちゃんがバラエティで培った “間” とか、カーンと出る声の気持ちよさとか、おもしろいところをわかっているがゆえの言いまわしとかが、新しい、そしておもしろいガーフィールドになっていて、そこは本当に感激しました。
山里亮太さん
いや〜、ありがたい。それが聞けただけでマジで嬉しい。よかったぁ。
ー お2人が一緒にアフレコすることはなかったんですか?
山里亮太さん
なかったんですよ。ずっと別々で。でも僕は収録に何日もかかっていて、進むにつれてMEGUMIさんの声が入ってくるんですよ。それがプレッシャーで‥‥。
MEGUMIさん
いやいやいや。
山里亮太さん
いや本当に。「うまいんかいっ!」ってツッコミましたよ。
ー 山里さんらしいガーフィールドはどういうところですか?
山里亮太さん
おそらく “間” とか、お笑いだったらここは半拍空けて話すとか、そういうところはアフレコをしていても一発OKが多かったので、笑いのポイントのところは今まで自分がやってきたことが生かせたんじゃないかなと思います。
ー 一緒に収録ができなかったことで、掛け合いは難しかったですか?
山里亮太さん
以前バラエティではよくご一緒していて、“間” を読むのがとても得意な方なので、一緒にアフレコをしていてもうまくできたと思いますが、堂々たるヴィランぶりに圧倒されて僕は萎縮しちゃったかも。
僕は声から少し自分が透けちゃうんですよね。でもMEGUMIさんは奥にジンクスしかいない。そんなMEGUMIさんが横にいたら、うまくできなくなったかもしれない。だから僕にとっては別々に収録してちょうどよかったのかも。プレッシャーに弱いから。
MEGUMIさん
アクションシーンは決められた中での瞬発力勝負で、「はっはっは」「あ!」「はぁ〜!」みたいな、だから何をやっているかわかっているようでわかっていない状態でアフレコしているときもあって、バラエティ番組でのフリースタイル戦とはまた違う、決まっていることをバーン! と出す感じなので、そういうところで山ちゃんと一緒に収録するのは、ちょっと照れ臭いかな。だから別々の収録でよかったかなと私も思っています。
声優さんにはリスペクトしかない
映像のお芝居とは違う毛穴が開く楽しさ
ー 吹替は普段のバラエティやお芝居などのお仕事とは違うものですか?
山里亮太さん
お芝居はほとんどやっていないのでわかりませんが、バラエティ番組とはまったく違いますね。だから、いかにこういったキャラクターに命を吹き込んでいる声優さんたちがすごいかって、リスペクトしかないです。こんなに難しいのかと。モノマネとも違いますし、モノマネしようと思っても英語版のガーフィールドの声優はクリス・プラットですから、無理です。言葉も違うし。
英語だと文字数が多いけど日本語だと少なくて、でもそのシーンの時間は決まっているので、そこにその短い文字数の日本語をどうやってあわせていくのかとか考えることも多くて、声優さんはこんなことをやってのけているんだって、だったらバラエティ番組でテーマを与えられてしゃべっている方が、何倍も楽というか、プレッシャーは少ないですね。
ー 練習はするんですか?
山里亮太さん
しました。特に歌は。カラオケボックスに行って練習したけど本当に難しかったですね。MEGUMIさんは歌をやっていたからすんなりだったと思うけど、僕は歌やったことないから。
クリス・プラットがめちゃくちゃ陽気に歌うんですよ。すっごく楽しそうに。「これ絶対にアドリブじゃん」と思ったんですが、そのアドリブをセリフに落とし込んで日本語にしたので、本当に難しかった。とにかく本当に吹替って難しい。声優さんってすごい!
MEGUMIさん
映像のお芝居とはまったく違いますが、でもすごく好きなんです。映像でやったら怒られそうなモリモリの表現を声だけでやるのが楽しくて。アウトプットの仕方が大きいんですよね。ジンクスは感情が上がって下がって叫んでワー! みたいなところがあって、なかなか普段はやれないことなので違う毛穴が開きます(笑)。めちゃくちゃ楽しかったですね。
恨み、妬み、嫉み、辛みで自らを鼓舞
推奨できないけど、これでがんばってきた
ー 字幕での試写を拝見させていただいたのですが、MEGUMIさんのキレた演技がジンクスにぴったりだなと思いつつ観ていました。演じられて、いかがでしたか?
MEGUMIさん
年に2回くらいブチギレる役というのはサブスク的にやらせていただいているんですが最近はやっていなかったので「あ〜ひさびさ!」と(笑)、こういうバーンとはじけた役を、声優なので映像より大きいお芝居でやらせてもらえたのはすごく楽しかったですし、声で気持ちを表現したり、ユーモアを出すというのは、また全然違ったアウトプットの仕方なので、それができたことは勉強になりました。
ー どういうところを見てほしいですか?
MEGUMIさん
悪役ではあるんですが、その背景には過去にあったことがすごく彼女を傷つけて、それによって悪の方に向かってしまったという、その深みみたいなものがこのキャラクターにはあるし、悪だけではなくユーモアだったり、チャーミングだったり、そういうところが詰まった愛すべき女性ヴィランというところを見てほしいですね。
ー ジンクスはガーフィールドの父親ヴィックに対する復讐の鬼と化していますが、MEGUMIさんが最近、復讐の鬼と化したことはありますか?
MEGUMIさん
いや〜、もうないっすね(笑)。エネルギーいるし、体力もいるし、怒るくらいなら距離を置くか忘れるか、好転的に考えて違う感じに落とし込むか。若いときは「クソー!」みたいになってたけど、今はもう「何かご事情があるのかしら?」とか「具合が悪かったのかな?」とか、そういう感じですね。
ー 山里さんはいかがですか?
山里亮太さん
もともと僕は “恨み、妬み、嫉み、辛み” をハイオクガソリンにして今まで走ってきました。かつて僕に何かした人のことは絶対に忘れず、どうしてもやらなければならないのに睡魔が襲ってきたときなどには、その人に言われた嫌なことを思い出して、「ここをがんばれば、その人を見返してやれる」と自分を鼓舞してきました。
日記に全部メモってあるんですよ。何月何日、誰に何を言われたって。それを見ると目がシャキッとします。このエネルギーの出し方がいいかどうかはわかりませんが、これでがんばれたことはたくさんありますね。
球は常に投げ続ける、好きなことを
見つけるために使う力と時間は惜しまない
ー MEGUMIさんはグラビアでブレイクし、今では俳優としてもその地位を確立し、実業家としても成功、さらに今は「美のカリスマ」としても注目されています。手がけることすべてでしっかりと結果を残していますが、成功する秘訣を、ぜひ教えてください!
MEGUMIさん
球は投げ続けてますよね。ずっと。何か新しいことをやろうっていろいろな球を投げ続けています。ほとんどが外れて1つか2つが当たって、それが今、多くの人に知っていただけているだけのことで、なんであんな球を投げたんだろうというのもたくさんあるんですが、ひたすら球は投げてますね。ぜひ球を投げてください。
ー 山里さんもテレビで観ない日はないほど活躍されています。子どもたちに夢を叶える方法をぜひ教えてください。
山里亮太さん
「何かやりたいな」って一瞬でも思うことってめちゃくちゃすごいことだと思うんです。だから自分が「何かやりたい」って感じたことをめちゃくちゃ褒めてあげて、さらに「何をやりたいんだろう」までいったらもっとすごくて、それでやりたいことが見つかったらもっともっとすごいんです。
選ばれた人だけが早いうちから将来が決まっているんじゃなくて、早い段階から真剣に何かに向き合う人は、そのために何をしたらいいかを早い段階で見つけることができて、楽しいことばっかりなんですよ。すべてを逆算して考えることができて、そのために必要だと思った勉強は苦じゃなくなったりするし、それくらい好きなものを見つけるということは、その後の自分を動きやすくしてくれるんです。だから好きなことを見つけるために使う力と時間は、ひとつも惜しまなくていいんだよ、ということですね。
MEGUMIさん
昔は「好きなことで食えると思うな」と言われることが多かったですが、いまは「好きなことじゃないとがんばれない」と私も思うし、好きだからこそがんばれるので、“好き” を見つけてもらうのが大事だと思います。
日本人は新しいことにチャレンジする人に対して「大丈夫?」とか「やめた方がいい」とか否定的なことを言う人が多いんですが、それに負けないで、否定されているということはチャレンジしているんだと捉えて、ネガティブな言葉は無視して進むことで、必ず何か扉は開くと思うので、好きなことにチャレンジしていただきたいですね。
親子の絆を感じるものは?
思っている以上に親はあなたを見ているよ
ー 映画からは “親子の絆” を感じられると思いますが、山里さん、MEGUMIさんが親子の絆を感じるのはどんなことですか?
山里亮太さん
子どもはいま2歳なので、絆とか愛は感じ続けていますね。親とは何かあるかなぁ?
学校で僕が “嘘つき” だということになって、先生に親が呼び出されたことがあったんです。そのときに母親は先生に「嘘をつくって、ものすごく頭を使うんですよ。賢いんですよ。それを褒めるんじゃなくて、怒っているんですか?」と言ったんですね。今ならモンスターペアレンツになってしまうかもしれませんが、子どもの頃、母親は僕を肯定し続けてくれていて、愛を感じましたね。帰り道でも「すごいね、あんた」ってお菓子を買ってくれて、これは本当によく覚えています。
MEGUMIさん
息子が「餃子を食べたい」って言ってくれることかな。餃子は本当によくつくっていたし、自分が息子に食べてもらいと思って大事にしているメニューのひとつなので、それを「食べたい」って言ってくれて、つくる時間というのが、何物にも変え難いグッとくるものがあって。やっぱり「食べたい」ってその人のものすごく根底にあるものなので、それを言ってくれるのが愛だなって。言われたらもうめっちゃ舞い上がって、一生懸命100個くらいつくっちゃいます。その一連にほっこりします。
ー 映画『ねこのガーフィールド』は、ヴィックとガーフォールド、ガーフィールドとジョン(飼い主)、オーディ(犬)との親子、家族の物語です。お子さんを連れて家族で観るのにぴったりな映画だと思いますが、映画を通して、子どもたちにはどんなことを伝えたいですか?
山里亮太さん
みんな(子ども)が思っている以上に、親御さんはみんなのことを見ているよっていう。すっごい見てる。見過ぎっていうくらい見ているから、見てないと思っていても、ちゃんと見ているんだよ。そういう愛の表現もあるんだよ、ということが伝わるといいですね。
MEGUMIさん
お子さんは映画を観ておもしろかったとか、あのキャラクターが好きという楽しみ方をすると思うんですが、大きくなったときに、子どもの頃は反抗していたけど、親ってこういう気持ちになるんだなとか、『ねこのガーフィールド』もそういう作品だったなって、後で気がついて染み渡るような、時差で感じていただける作品にもなっていると思います。
映画『ねこのガーフィールド』は2024年8月16日(金)より全国公開!
2024年8月16日(金)より全国の映画館で公開!
ねこのガーフィールド
飼い主のジョンに愛されて、“幸せ太り” な毎日を送ってきた家ねこのガーフィールド。親友の犬オーディと一緒に冷蔵庫の中身を空っぽにするまで大食いして、ほしいものは全部ジョンのお金でネットショッピング。食べることが大好きで、月曜日とお風呂は大嫌い!
そんな平和な毎日だったのに‥‥ある日突然、生き別れた父さんねこのヴィックが現れた!
「悪いねこに追われているんだ。助けてくれ!」
そんなヴィックを救うため、ついにガーフィールドはしぶしぶながら家から飛び出すことに! はじめての外の世界でガーフィールドが出会うのは、ヘンテコな仲間たちにずるがしこいボスねこのジンクス! さらには親子の絆が試される “ミルク泥棒大作戦” まで!?
この夏、世界イチ甘やかされたぽっちゃりねこの涙あり! 爆笑あり! ニャンダフル・アドベンチャーがはじまる!
山里亮太(やまさと りょうた)
大学在学中にNSC吉本総合芸能学院 大阪校に22期として入学。卒業後、漫才コンビ、ピン芸人などの活動を経て、2003年に山崎静代(しずちゃん)と「南海キャンディーズ」を結成、「M-1グランプリ2004」で準優勝を果たし注目を集める。現在はお笑いタレントのほか、数多くの番組でMCを担当。ナレーター、ラジオパーソナリティー、声優としても活躍中。
MEGUMI(めぐみ)
2001年、芸能界デビュー。雑誌やバラエティ番組で活躍後、近年では多くのドラマ、映画に出演し、2020年2月に映画『台風家族』で第62回ブルーリボン賞助演女優賞を受賞。現在は美容本『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)、『心に効く美容』(講談社)を執筆するなど美容情報の発信にも力を入れながら、個人事務所や金沢のカフェ「たもん」の経営、映画のプロデュースも手がけるなど多方面で活躍中。
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