ミケランジェロの傑作《ダヴィデ=アポロ》が初来日!
作品約70点で “理想の身体美” に迫る!
彫刻、絵画、建築の各分野で名をなし、“神のごとき” と称された男、ミケランジェロ・ブオナローティ(1475〜1564)。東京・上野公園の国立西洋美術館では、2018年6月19日(火)〜9月24日(月・休)まで、展覧会「ミケランジェロと理想の身体」を開催します。
本展では、世界に全部で約40点しか現存しないミケランジェロの大理石彫刻のうち、傑作《ダヴィデ=アポロ》を日本初公開するとともに、古代ギリシャ・ローマとルネサンスの作品約70点により、ミケランジェロや当時の芸術家たちが創りあげた、理想の身体美の表現に迫ります。
ミケランジェロをはじめルネサンスの芸術は古代ギリシャ・ローマ美術を源に発展しましたが、なかでも男性の裸体表現は人体の理想像として大きな影響を与えました。
本展では、大理石およびブロンズ彫刻、壁画、油彩、素描、陶器など、日本初公開を含むさまざまな作品を展示。「幼少期から青年期の男性表現」「アスリートと戦士」「神々と英雄」などの切り口で男性美の表現を捉えるとともに、ミケランジェロに影響を与えた古代作品、そしてミケランジェロから影響を受けたルネサンス作品を紹介します。
ミケランジェロの傑作《ダヴィデ=アポロ》、3つの謎!
① ダヴィデか? アポロか?
聖書の英雄ダヴィデなのか、ギリシャの神アポロなのか、この作品の主題は、ミケランジェロの生前から解釈がわかれていた。その原因はふたつある。ひとつは、ミケランジェロが作品の一部を未完のまま残したこと、もうひとつは、ダヴィデとアポロの必殺技が共に飛び道具だったことだ。
《ダヴィデ=アポロ》は左手を背中の方にぐいと伸ばして、背中にしょった飛び道具を取ろうとしている。だがそこにあるのは武器ではなく、手つかずの石の塊。ダヴィデがゴリアテを仕留めた投石器か、弓の名手だったアポロの矢筒か。飛び道具の正体は、ミケランジェロによって大理石の内に謎として残された。
② 古代の伝統か? ミケランジェロによる革新か?
頭から足下に向かってゆるやかなS字カーブを描くかのような、しなやかな身体の湾曲。片側の足に重心をかけるこの姿勢は、古代ギリシャ彫刻の古典的なポーズ、コントラポストだ。
しかし、古代の規範に従うなら、左足重心なら右腕に動きをつけ、もう一方の右足と左腕をリラックスさせることにより、緊張と弛緩が対角線で交差するのに、《ダヴィデ=アポロ》の場合には左足に重心をおき、左腕を上げている。大きく振り上げた左腕によって上半身がねじれ、前に突き出された右脚は、下半身に上半身とは逆方向のねじれを生み出している。身体全体が螺旋を描く大胆なポーズ。今やそこには《ダヴィデ=アポロ》の官能の美が漂う。ミケランジェロは、古代彫刻にのっとりながら独自の美を昇華させたのだ。
③ 未完か? 完成か?
完成を待たずにミケランジェロがフィレンツェを離れローマに赴いたため、未完のままとなった《ダヴィデ=アポロ》。表面には無数のノミ跡が残り、ミケランジェロの彫刻技法の秘密を伝える。しかし、この作品は本当に「未完」なのか。「どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。それを発見するのが彫刻家の仕事だ」と語ったミケランジェロにとって、彫られるべき内部の像は、すでに彫り出されていたのかもしれない。
ミケランジェロ・ブオナローティ(1475〜1564)
イタリア・ルネサンスの芸術家。彫刻、絵画、建築の各分野で第一級の作品を残したが、ミケランジェロ自身は自らを「彫刻家」と呼んだ。「天井画は私の本業ではないので、時間の浪費です」という本人の言葉からもわかるとおり、ミケランジェロ芸術の神髄は彫刻にある。代表作はフィレンツェ・アカデミア美術館の《ダヴィデ》、サン・ピエトロ大聖堂の《ピエタ》。
※ただし、2018年7月16日(月・祝)、8月13日(月)、9月17日(月・祝)、9月24日(月・休)は開館
※入館は閉館の30分前まで
小学校高学年(4、5、6年生)
中学生・高校生
大人
・京成電鉄「京成上野」駅下車 徒歩7分
・東京メトロ銀座線「上野」駅下車 徒歩8分
・東京メトロ日比谷線「上野」駅下車 徒歩8分
・大学生:1,200円(1,000円)
・高校生:800円(600円)
※中学生以下は無料
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
※前売券は 2018年6月18日(月)まで展覧会公式サイト、主要プレイガイドにて販売(手数料がかかる場合があります)。国立西洋美術館では開館日のみ、2018年6月17日(日)まで販売
※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)
後援:外務省、イタリア大使館
協賛:大日本印刷
協力:アリタリア - イタリア航空、日本貨物航空、西洋美術振興財団
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