
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」大判 天保初期(1830-34)頃 島根県立美術館(新庄コレクション)(展示期間 2019年2月21日(木)〜3月24日(日)※1月17日(木)〜2月18日(月)は日本浮世絵博物館の作品を展示)
世界でもっとも有名な絵のひとつと言われる傑作。大波に翻弄される船が描かれるが、北斎は、あたかもこの舟に乗って、巨大な波を見上げるような構図でまとめ、波の裏側から盛り上がり崩れていく、水の恐るべき力と勢いを洞察してみせた。雄大で荒々しい自然の力が迫りくる作品。
初公開作品が続々登場! 待望の大規模 “北斎展”!
あなたはまだ本当の北斎を知らない!
「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」が2019年1月17日(木)〜3月24日(日)まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催!
北斎の代表作としては、“Great Wave”と称されて世界的に名高い「神奈川沖浪裏」を含む「冨嶽三十六景」シリーズ、19世紀のヨーロッパにおけるジャポニスムの流行の契機となった『北斎漫画』などが一般的に知られていますが、これらは約70年におよぶ北斎の画業のほんの一端にすぎません。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」大判 天保初期(1830-34)頃 島根県立美術館(新庄コレクション)展示期間 2019年1月17日(木)~2月18日(月)
画中にある正式な表題よりも、古くから「赤富士」と呼ばれ、広く巷間に親しまれてきた揃物中の代表図。簡潔な構図とわずかな色彩で、これほどまでに富士のみなぎると力までも捉えつくした作品は他にないといわれる。
本展では北斎の絵師人生を作風の変遷と主に用いた画号によって6期に分けて紹介。勝川派の絵師として活動した春朗期(20〜35歳頃)、勝川派を離れて肉筆画や狂歌絵本の挿絵といった新たな分野に意欲的に取り組んだ宗理期(36〜46歳頃)、読本の挿絵に傾注した葛飾北斎期(46〜50歳頃)、多彩な絵手本を手掛けた戴斗期(51〜60歳頃)、錦絵の揃物(そろいもの)を多く制作した為一期(61〜74歳頃)、自由な発想と表現による肉筆画に専念した画狂老人卍期(75〜90歳頃)と、その壮大な画業を通覧。国内外の名品、近年発見された作品、初公開作品を通じて、真の北斎に迫ります。初公開作品が続々登場! 待望の大規模北斎展です。

葛飾北斎《弘法大師修法図》紙本1幅 弘化年間(1844-47) 西新井大師總持寺 通期展示
北斎最晩年期最大級の作品で、縦150センチ、横240センチにおよぶ。西新井大師の寺伝によれば、弘法大師が西新井の地を訪れたとき、流行していた疫病を鎮めた。暗闇の中、病魔である鬼が大師に襲いかかるが大師は泰然と祈祷を続ける。鬼に怯え、吠え続ける犬の姿がいっそうの緊張感をもたらす。異様な迫力に満ちた本作は、昭和58(1983)年に永田氏の研究によって、同寺の物置で発見された。現在は年に一度、本堂で公開されている。
【本展の見どころ】
みどころ① 待望の大規模北斎展
20歳のデビュー作から90歳の絶筆まで、本展に出品される作品数は約480件(会期中展示替えあり)。十数年ぶりに東京で開催される大規模かつ網羅的な北斎展となります。国内外から集められた名品・貴重品によって、北斎の全貌を知ることのできる待望の機会です。
みどころ② 初公開作品が続々登場!
多数の初公開作品を揃えていることも本展の特徴。アメリカ・シンシナティ美術館が所蔵する「向日葵図」(肉筆画)は、北斎が88歳のときに描いたものですが、その凛とした姿には、衰えを知らない北斎のエネルギーがみなぎっています。また同館の「かな手本忠臣蔵」(小判、10枚)は近年発見された貴重なものです。旧津和野藩主家が所蔵していた摺物(非売品の特製版画)、大小暦も必見。118点を4期にわけて全点を公開しますが、いずれも長らく秘蔵されていたため、衝撃的なほどに美しい色彩をとどめています。
みどころ③ 永田コレクション、最後の東京公開
本展監修者・永田生慈氏は北斎研究のために作品の収集も行ないました。作品数は2,000件を超えます。それらは2017年に一括して故郷の島根県に寄贈されました。そして氏の遺志により、本展に出品された後は、島根県のみで公開されることとなりました。つまり、本展は永田コレクションを東京で見ることができる最後の機会となります。
【関連イベント】「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」に行ってきた!2018年1月28日(日)まで国立西洋美術館で開催!

葛飾北斎「百物語 こはだ小平二」中判 天保2-3年(1831-32)頃 山口県立萩美術館・浦上記念館(展示期間 2019年3月6日(水)〜3月24日(日)※1月17日(木)〜2月18日(月)は、中右コレクションの作品を展示)
百物語は江戸時代に流行した遊びで、夜中に数人が集まり、交代で怪談を語るというものであった。この表題をもつ揃物は5図が知られている。こはだ小平二の話は、役者の小平二が後妻のお塚と密夫に殺害されるというもので、骸骨になった小平二が蚊帳を覗いている場面である。筋肉の細かい描写や細長くゆらぐ炎が不気味さを強調し、凄みのある一図となっている。
※会期中、展示替えがあります
※火曜日のみ17:00まで(最終入館は閉館の30分前まで)
小学校高学年(4、5、6年生)
中学生・高校生
大人
・都営地下鉄 大江戸線「六本木」駅 3番出口 徒歩4分
・都営地下鉄 大江戸線「麻布十番」駅 7番出口 徒歩5分
・東京メトロ 南北線「麻布十番」駅 4番出口 徒歩8分
・高大生:1,300円(1,100円)
・小中学生:600円(500円)
※( )内は前売および15名以上の団体料金(添乗員は1名まで無料)
※障がい者手帳をお持ちの方と介助者(1名まで)は当日料金の半額
※前売券の販売は、2018年11月27日(火)から2019年1月16日(水)まで
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