エネルギーの未来について考える
ドイツで約68万人が来場した企画展
2017年にドイツ博物館(ミュンヘン)で開催され、約68万人が来場した企画展「energie.wenden(エナギー・ヴェンデン/邦訳:エネルギー転換)」の巡回展、「どうする!?エネルギー大転換」展が2020年1月17日(金)~3月29日(日)まで日本科学未来館で開催!
ドイツ国外では初開催となる本展では、新たに日本のエネルギー事情を紹介するコーナーを加え、私たちの生活に欠かせないエネルギーの未来について考えます。
化石燃料を使い続けるリスク
これまで私たちの社会の発展と豊かさを支えてきたのは、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料資源から得られる、安価で大量のエネルギーでした。
しかし、化石燃料をこのまま使い続けると地球温暖化が加速し、大規模気候変動という大きなリスクを将来の世代に残してしまいます。また化石燃料は、いずれ枯渇します。
持続可能なエネルギー源への道筋は?
本展でいう「エネルギー転換」とは、化石燃料に依存している現在の状態から脱却し、持続可能なエネルギー源へと私たちの使うエネルギーの大転換を図ることです。
2015年に世界各国が合意した「パリ協定」では、世界全体で排出される温室効果ガスを今世紀後半のできるだけ早い時期にゼロにするという目標が掲げられました。
その目標を達成するためにも、エネルギー転換の実現は、人類全体が急いで取り組まなければならない重要な課題です。私たちは「エネルギー転換」をどのように進めていけばいいのでしょうか?
本展では、エネルギーにまつわる10のテーマについて、日本や世界の情報を提供しながら、来場者一人ひとりがエネルギー政策について考えます。
会期中に集められた来場者によるエネルギー政策の選択結果は集計され、ドイツ開催時に集められた結果との比較から、エネルギー政策に対する日独市民の考え方の違いも調査する予定です。
【「どうする!?エネルギー大転換」展示概要】
来場者には国会議員になったつもりで、「エネルギー転換」を進める政策を決めてもらいます。入口に用意された投票用紙を手に取り、会場内に展示された10のエネルギーにまつわるテーマをまわり、エネルギー政策を選択していきます。
◎ エネルギーにまつわる10のテーマ
① 化石燃料
② 原子力エネルギー
③ 太陽光と風力
④ 水力・地熱発電
⑤ 植物資源
⑥ 電力・ガスのネットワーク
⑦ エネルギー貯蔵
⑧ 建築と住居
⑨ 製品の生産と消費
⑩ モビリティ(自由な移動)
各テーマは、展示パネル、さまざまな立場のステークホルダーの意見を紹介する映像、そして政策を選択する機械の3つで構成されます。そして、それぞれのテーマについて、3つの政策が提案されます。
たとえば「② 原子力エネルギー」をテーマにしたコーナーでは、「原子力エネルギーを使う?」という問いに対して
A:もっと原発を建てる
B:原発は閉鎖
C:核融合をめざす
という政策が示されます。
来場者は機械に投票用紙を入れ、さまざまな立場の意見を聞いたあと、自分が最適と思うエネルギー政策を選択します。選択した政策は投票用紙に記録されます。
◎ 未来館コンテンツ:「日本ではどうする!?」
日本科学未来館での展示にあわせ、各テーマについて日本の事情を紹介するパネル展示を特別に用意。
化石燃料に大きく依存している現状や再生可能エネルギーの大きなポテンシャルなど、日本でエネルギー転換を進める上で重要なヒントが提示されます。
◎ 投票所:「あなたの選択を投票してください!」
4つ以上のテーマについて政策を選択すると、投票所で投票ができます。機械に投票用紙を入れると、来場者が選んだエネルギー政策が、「市場経済タイプ(エネルギーの価格設定によってエネルギー転換を進める)」や「科学技術タイプ(科学技術の研究によってエネルギー転換を実現する)」などの6つのタイプのうち、どれに当てはまるかが診断され、その結果が投票用紙に印刷されます。
① 市場経済タイプ
② 社会的良心タイプ
③ グローバルタイプ
④ 科学技術タイプ
⑤ 環境保護タイプ
⑥ 法規制タイプ
投票所の横には、来場者がそれぞれのテーマで選択した投票結果が視覚的にわかる立体グラフが展示され、自分の選択を、他の人たちの選択と比較することで、社会にさまざまな価値観が存在することを実感するきっかけを与えてくれます。
そしてエネルギー転換を進めるには、多様な価値観の人々と、社会が進むべき方向について話し合うことが重要だと気づくことになるでしょう。
中学生・高校生
大人
・新交通ゆりかもめ「東京国際クルーズターミナル(旧:船の科学館)」駅下車 徒歩約5分
・東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート」駅下車 徒歩約15分
【入館料(常設展)】
・大人:630円
・18歳以下:210円
※6歳以下の未就学児は無料
※土曜日は18歳以下無料
※障害者手帳所持者は本人および付き添いの方お一人まで無料
※企画展は別料金
・共催:ドイツ科学・イノベーション フォーラム東京(DWIH東京)
・企画制作:ドイツ博物館
・後援:Linde AG, Federal Ministry for Economic Affairs and Energy, Bavarian Ministry of Economic Affairs, Regional Development and Energy, innogy Stiftung für Energie und Gesellschaft
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