※写真の幼虫、チョウは同一個体のものではありません。成長過程をまとめるにあたり異なる個体、異なる時期の写真を使用しています。あらかじめご了承ください。
いよいよ蛹、そして羽化へ
羽化は一瞬、見逃しがちでタイミングが難しい
【ナミアゲハの卵から羽化するまでの期間】
① 卵から孵り4齢幼虫までの期間:2〜3週間程度
② 緑色になった5〜6齢幼虫の期間:2〜3週間程度
③ 蛹の期間:10日〜2週間程度(越冬蛹の場合5ヵ月ほど)
④ 成虫の活動期間:1〜2週間
蛹になるときには、好みの場所を探すために今までいた木から離れることがあります。思いのほか遠くまで移動するので、見失ってしまうことも。そろそろ蛹になりそうだと感じたら、鉢ごとケースに入れたり、ダンボールや網などで囲いをつくっておくといいでしょう。また蛹になる直前に体内の不純物をすべて出し尽くすので、いつものコロコロとしたフンと異なるベタッとしたフンが葉に付いていたら、どこかで蛹になる準備、もしくはすでに蛹になっているかもしれません。
蛹は緑色と茶褐色の2種類の色があり、まわりの色に合わせた保護色になっているようです。蛹の中では今までの体がバラバラになり再構成し、10日〜2週間ほどで羽化します。羽化直前は蛹が黒ずみ、アゲハチョウの模様が透けて見えてくるので、そろそろかな、とわかります。
羽化は蛹の上部が蓋が外れるようにパカッを開いて成虫が出てきて、枝などにつかまり縮んだ羽根を伸ばします。セミとは異なりとても短い時間なので、その瞬間に立ち会うのはけっこう難しく、時間もさまざま。一度はそろそろかなと待っていたのに、ちょっと目を離したら、頭上をヒラヒラと舞っていたことがあります。
【関連ページ】春の羽化が楽しみ! アゲハチョウの蛹、ただいま越冬中!

蛹になる直前にフンとして体内の不純物をすべて出し尽くします。山椒の葉にこのようなものが残っていたら、もうどこかで蛹になっているかもしれません

蛹になるときに、幼虫は好みの場所を探すために移動します。今までいた木から離れることもあるので注意が必要。写真は高さが1メートルくらいある棚の天板の裏まで移動して蛹になっていました。そろそろ蛹になりそうだと思ったら、山椒の木ごとケースに入れたり、ダンボールで囲いをつくるなどしておくといいでしょう

2〜3日すると、すっかり蛹の形になっていました。この形になる途中を見たいと思っているのですが、なかなか見られません

蛹はまわりの色に合わせて緑色と茶褐色の2種類があります。保護色になっているようです

蛹になってから10日〜2週間ほどで羽化します。蛹から透けて中の模様が見えてきます

パカッと蓋を外すように蛹を開けて顔を出しました

縮んだ羽根が伸びたら、これで飼育と観察は終了です

お天気が良ければ、早めに外に逃がしてあげましょう。また来年、卵を産みにきてくれるといいですね(このチョウは8月に卵だったので、来年ではなく、同年10月頃に卵を産みます)
■ 1ページ:卵の産み付けと孵化
■ 2ページ:1齢〜4齢の擬態、5齢〜6齢の青虫
■ 3ページ:蛹から羽化
■ 4ページ(番外編):アゲハの成虫をスポーツドリンクで育てる/飛べない、歩けないアゲハチョウ など
【関連ページ】春の羽化が楽しみ! アゲハチョウの蛹、ただいま越冬中!
※ 販売されている山椒の木は殺虫剤がかけられているものがありますので、購入時にはご注意ください。殺虫剤がかけられたものは、来年からアゲハチョウのエサとして使えます。
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