2019年/フランス/107分/カラー
監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル
出演:ジェラール・ドパルデュー、アサド・アーメッド、ミザヌル・ラハマン、イザベル・ナンティ
配給:東京テアトル/STAR CHANNEL MOVIES
©POLO-EDDY BRIÉRE.
パリへ逃れた政治難民の少年が
チェスチャンピオンをめざす感動の実話!
母国バングラデシュで天才チェス少年として有名だったファヒム(アサド・アーメッド)は、わずか8歳のときに政治難民として父親とともに突然パリに移り住む。そして彼らは自由な未来を勝ち取るために、言葉もわからず、住む場所も定まらないパリでチェスのチャンピオンをめざすことになる。
国籍・年齢を越えた師弟の絆、親子の愛、巡り合った友情とともに立ちはだかる数々の壁をその明晰な頭脳で次々と打破しながら、自身の力で力強く未来を掴んでいくファヒムの姿に熱く胸を打たれる。
フランスで起きた感動の実話をもとにしたヒューマンドラマ『ファヒム パリが見た奇跡』が、2020年8月14日(金)に全国公開!
2020NY国際児童映画祭長編作品賞受賞!
母国からはるか遠くで少年の挑戦がはじまる
政変が続くバングラデシュ。家族が反政府組織に属していたことに加え、チェスの大会で勝利を重ね続けるファヒムに対する妬みが原因で、徐々にファヒムと家族は脅迫を受けるようになっていた。
自分たちの身に危険を感じた父親は、わずか8歳だった少年・ファヒムを連れて2人だけでパリへ国外脱出、そこでチェスのトップコーチであるシルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)と出会う。
独特な指導をするかつての天才チェスプレーヤーでもあるシルヴァンと、天才頭脳で口達者なファヒムはぶつかり合いながらも、チェスのトーナメントをめざして信頼関係を築いていく。
そんな中、移民局から政治難民としての申請を拒否されたファヒムの父親は、身の置き所がなくなり姿を消してしまう。迫りくる強制送還のタイムリミット、その脅威から逃れるには、解決策はただ1つ。ファヒムがチェスのフランス王者になることだった。
コーチ役はフランスの誇る名優
ファヒム役はバングラデシュから逃れてきた少年
ファヒムの才能をいち早く見抜き、彼をフランス王者にするために厳しくも愛情溢れた熱心な指導をするチェスコーチのシルヴァンを演じるのは、フランスの誇る名優・ジェラール・ドパルデュー(『シラノ・ド・ベル・ジュラック』)。
監督が実際のファヒムの指導者グザヴィエ・パルマンティエに出会った際に「彼の恰幅の良さ、優しさ、激しい気性を知りまっさきに思い浮かべたのがジェラール・ドパルデューだった」という。
チェスの天才少年ファヒムを演じたのは、これが演技初挑戦であり、彼自身も撮影がはじまる約3ヵ月前にバングラデシュから政治亡命者の息子として逃れてきたというアサド・アーメッド。ある日突然、父親から「いとこと一緒にでかけろ」と言われた先が映画のキャスティング現場だった。
本作についてアサド・アーメッドは、「脚本の内容を聞いたとき、とても感動しましたし、バングラデシュの首都ダッカで起こっているいろいろな問題を思い出しました。ファヒムの物語は僕のものではありません。でも僕が経験してもおかしくなかった。この映画を通して、人々が移民の生活が簡単ではないとわかってくれることを願います」とその想いを語っている。
監督は、俳優としても活躍するピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル。本作製作のきっかけについて「2014年2月、テレビで14歳のバングラデシュ人の少年が、彼のこれまでの人生を語った本『Un roi clandestin(密入国者の王さま)』<日本未発売>についてインタビューを受けていたのを見たのです。それまで彼のことをまったく知りませんでしたが、落ち着いた声で話すこの少年に魅了され心を揺さぶられたのです。なぜ8歳の時に急に母親から引き離され、国を出なければならなかったのか。父親と一緒に言葉も生活習慣も知らないフランスに降り立ち、その4年後に、不法滞在のホームレスであったにもかかわらず、どうやって12歳以下のチェスのフランス王者になったのか。すごい道のりです! 私の映画作家としての血が体をひと巡りし、すぐにこの映画を作りたいと思ったのです」と述べている。
政治難民の父親にともなわれ、母親からも引き離され、わずか8歳で見ず知らずの街で生きることになったファヒムが、“チェス” という共通項を通してさまざまな人と出会い、信じあうことでその才能が花開き、目標に向かってひたむきに生きる姿に心打たれる感動の実話!
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