レゴを知り尽くしたプロビルダーが楽しみにしている
「レゴバットマン ザ・ムービー」の見どころ
ー 三井さんは「レゴ」で起業した「レゴ認定プロビルダー」ですが、今回の映画「レゴバットマン ザ・ムービー」や、名古屋にオープンする「レゴランド」とはどのような関わり方をされているんですか?
映画のなかに登場するものとか、「レゴランド」のなかにあるものを直接つくってはいませんが、映画の公開や「レゴランド」のオープンにあわせてイベントなどが行なわれるので、そこに作品を出品したり、講演をしたりして、レゴ熱を盛り上げるお手伝いをしています。今は名古屋駅にも作品が置いてあります。
ー つい先日ラスベガスから帰国されました。ラスベガスではイベントがあったそうですが、海外でもレゴは盛り上がっていますか?
アメリカのレゴ熱は昔からすごいけど、いまは過去最大級です。レゴの製品自体のクオリティがあがりましたし、バットマンやスター・ウォーズなどのキャラクターが入ってきたり、新商品もどんどん出ています。子どもたちにとっては、いままでなんとなくで遊んでいたものが、遊び方がイメージしやすくなって、もっと遊びたいと思うようになっていますね。
ー ご自身でもレゴで動画をつくってますが、映画やアニメのように、レゴが動く魅力は?
子どもがレゴに触れはじめた最初の頃につくるレゴ作品は、「ミニフィグ」と呼ばれるレゴの人形がいる世界をつくることからレゴに親しみはじめると思います。ミニフィグの乗り物をつくったり、住む家をつくったり。そうすると、やっぱりその世界でミニフィグが動いたらいいな、という想像力がかきたてられますよね。いま、私もレゴで動画をつくっていますが、レゴが動くことは、子どものときに夢見た、憧れなんです。
■ 三井さんのレゴ ミニフィグ ムービー(YouTube)はコチラ
ー 今回の映画「レゴ®バットマン ザ・ムービー」で楽しみにしているポイントはどこですか?
バットマンの乗り物や基地はもちろん、すべてレゴでつくられていて、しかもひとつひとつが丁寧に作り込まれたデザインになっています。レゴをふんだんに使った世界観を見られるというのが、とにかく楽しみですね。
また実際のバットマンは渋いキャラですが、今回のレゴバットマンは “かまってちゃんキャラ” というところもあって、そのギャップはバットマン好きが見ても楽しいし、バットマンをよく知らなくても、おもしろいおじさんがいるなと楽しめると思います。レゴになった、たくさんのヒーローや悪役も楽しみですね。
【映画紹介】「レゴ®バットマン ザ・ムービー」
【試写会レポート】「レゴ®バットマン ザ・ムービー」キッズイベント親子試写会
【体験レポート】「レゴランド」へ行ってきた!
【イベント情報】レゴ®バットマンGO!!GO!!フェスタ(デックス東京ビーチ)
【映画レビュー】「レゴ®バットマン ザ・ムービー」(日本語吹替版/2D)
プロビルダーが子どもたちにアドバイス!
よりよい作品をつくるには、いい作品の真似をすること
ー 「キッズイベント」でも2017年3月20日(日)に「レゴバットマン ザ・ムービー」の試写会をするのですが、たくさんのレゴ好きの子どもたちから応募がありました。子どもたちがレゴで作品をつくるにあたり、ワンステップアップするコツはありますか?
やっぱりいい作品の真似をすることですね。方法もいくつかあって、セットの説明書とおりに組み立てるのもひとつの真似ですし、インターネットで検索して上手な人の作品を真似してみたり、前作のDVDやレゴのアニメを観て、気になるところは一旦停止してパーツの組み合わせを確認したり、とにかく何かしら上手にできているものを真似するのはステップアップにつながると思います。
ー 三井さんがレゴにはまったときはまだ今ほどネットは発展していなかったと思うのですが、そのときはどのように真似をしていましたか?
私の場合は3つ上の兄がいたので、兄がつくったものを真似してました。そして真似する以上に一番いいのは、作品を分解してみることなんです。兄には申し訳なかったですが、片っ端から分解して、こうなっているのか、と(笑)。
【試写会レポート】「レゴ®バットマン ザ・ムービー」キッズイベント親子試写会
作品には、常に何か新しい取り組み、手法を!
ー 会社を辞めてレゴで起業しています。そこまで三井さんを駆り立てたものは何ですか?
仕事として大きなことに挑戦しようと思ったときに、サラリーマンをしながらのパートタイム的なやり方では時間的に限界があるんです。たとえば2016年につくった3メートルサイズのパックマンは、設営だけで丸2日かかっています。こういうものはサラリーマンをしながらだとできないですよね。規模の大きなものをやるとなると、ハードルをひとつ越える必要がありました。
ー 起業にあたって不安はなかったんですか?
基本的にはなかったですね。大学院生のときにプロになって仕事の依頼もあったので、どれくらい仕事があって、どれくらいの時間や予算が必要かはだいたいわかっていたので。
ー 作品をつくるうえで大切にしていることは?
作品ごとに新しいことをやると決めていて、作品を見た人が、何かしらおもしろいなと思ってもらえるポイントを必ず入れたいと思っています。たとえば一般の方の参加型で作品をつくったり、動画の作品をつくったり、アプローチの仕方はいろいろあります。
2016年に熊本の復興支援で熊本城をつくったときは、土台部分に使うブロックを一般の方から寄附していただきました。ブロックにはサインやメッセージを書いていただき、1万ものメッセージつきレゴブロックが集まったんです。作品に多くの人の気持ちを組み込むという新しさを取り入れ、熊本の方にもとても喜んでいただけました。作品は熊本城に寄贈しました。
ー 三井さんは作品の9割ほどを四角形の基本ブロックでつくるそうですが、レゴ自体は進化しているんですか?
レゴは日々進化していると言っても過言ではないですね。レゴのパーツは増えすぎないようにコントロールされていますが、それでも毎年何十と新しいパーツが出ています。たとえばボールジョイントが出てきたおかげで、それまでは蝶番のような関節しかつくれなかったのがグリグリ回せるようになって、そのおかげで今までよりもサイズダウンしたロボットがつくれるようになったり。
またプログラミングができるレゴもありますし、新しいテクノロジーもどんどん入ってきています。基本的な四角いブロックは当然変わらずですが、そこにひとつ新しい要素が加わるだけで、爆発的に表現の可能性は広がります。
プロビルダーになるには、とにかく作品をつくって発信!
ー 子どもたちが三井さんのようなプロビルダーになるにはどうしたらいいですか?
プロビルダーになるには、つくってきた作品やイベントに出品した実績が必要です。あとは面接がありますね。面接ではその場で作品をつくってください、ということはありません。大きな作品は10分、20分ではつくれませんから。試験もないですよ。
とにかく作品をつくって、いまならブログやSNS、YouTubeで発信するのが一番の近道だと思います。いい作品は、必ずどこかに引っかかって取り上げられる時代ですから。
ー 今後の夢、目標は?
作品をつくるときには、常に新しいものを盛り込みたいという想いがあるので、いろいろなものとレゴを掛け算した作品をつくっていきたいですね。
レゴと何かを掛け合わせることで新しいことが生み出せる、新しい楽しみが生まれるということは今までにもたくさんありました。いろいろとアイデアはあって、たとえばプロジェクションマッピングと組み合わせるとか。
何か新しい技術が出てくるとレゴと掛け合わせられるかを常に考えていますが、新しいものばかりを見ていてもダメで、古いものでも、まだ掛け算されていないものがあるので、どんどん取り込んで、今までにない、見た人がびっくりするような作品をつくっていきたいですね。
【映画紹介】「レゴ®バットマン ザ・ムービー」
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三井淳平
兵庫県明石市出身。1987年生まれ。2005年、テレビ番組の「レゴ®ブロック王 選手権」準優勝で注目を浴びる。東京大学入学後に東大レゴ®部を創部。2010年、レゴ®ブロックを素材とした作品制作や関連する課外活動における社会貢献により、「東京大学総長賞」を個人受賞。2011年、「世界最高レベルのレゴ®ブロック 作品制作能力を持つ一般人」と、レゴ®社が認める「レゴ®認定プロビルダー」に最年少で選出される。日本人初、世界でも13人目。
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