“ありがとう” そして “これからも描くからね”
「絵本原画展 いもとようこの世界」では、出版された300以上のタイトルの中から315作品を選び、それぞれの原画を「あかちゃんのためのえほん」「どうよう」「日本のむかし話」「世界の名作」「日本の名作」「創作絵本」の6つにわけて展示しています。
広い会場内を埋め尽くすように展示されている原画の数に圧倒されるとともに、すべてが原画という贅沢さも感じられます。なかには原画の下にお話のパネルが設置され、原画と一緒にお話も読めるようにもなっています。
特筆すべきは、やはり、いもとようこさんのちぎり絵に着色する技法を、間近で見られること。印刷された絵本では表現しきれていない、和紙をちぎった断面や絵の立体感を確認でき、ひとつひとつの絵が、この作業の積み重ねでできているんだと、制作の大変さはもちろん、いもとようこさんの作品にかける想いも感じることができます。
「原画が、印刷されたものとは違うというのがよくわかると思います」と、いもとようこさん。絵本のための絵を描いているので、印刷されたものが “本物” としながらも、「原画には作品に対する想いが込められています。原画を見て味わって、何かを感じていただければ。特に大人の方に見て欲しい」とお話してくれました。
また、「本を買ってくださる読者の方がいるからこそ、40年以上にわたりこの大好きな仕事を続けてこられました。今回の展覧会は、読者の方への “ありがとう” という感謝と、“これからも描くからね”というメッセージを伝えるもの」と、展覧会への想いも教えてくれました。
■ 次ページはいもとようこさんのインタビュー! 独自の技法は “大根” がヒントに!?
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