子育てってそんなに辛いの?
お母さんたちにもっとワクワクしてほしい!
ー「渋谷でママ大学」をやろうと思ったのはなぜですか?
元ビリギャル さやかさん
講演で全国をまわって、たくさんの親子の相談を聞いているうちに、お母さんたちに “ワクワク” して欲しいなと思って企画しました。
私がよく呼ばれるのは中学や高校などの学校、PTAや行政主催の親御さん向けセミナーが多いんですが、中高生の親御さんたちは子どもに対する接し方や子どもの将来とか、すごく悩まれていて、一生懸命子どものことを考えていらっしゃるんですが、なんかすごく辛そうに見えてしまう人が多くて。子育てってこんなにも辛いのかなと、私はまだ子どもがいないし、私の母(ああちゃん)もあんまり子育てが辛いっていう印象がなかったので、ここ2年くらいの間、すごく衝撃を受けることが多かったんです。
子どもの一番近くにいる存在ってお母さんだと思うので、子どもたちのために、まずはお母さんたちが笑っていてくれるのが一番いいなって。お母さんたちを元気にしてあげられたらなと思いました。
大学を卒業してウェディングプランナーとして働いた経験もあったので、装飾もコンテンツももっとワクワクするリアルな場所をつくりたいと結婚式場をまるまる貸切って、いままでにない親子イベントを企画してみました。
出会いとご縁、そして
あのときの “がんばり” が人生を変えた
ー 大学受験から10年、振り返ってみてどうですか?
元ビリギャル さやかさん
坪田先生と一緒に勉強していたときは、今思えば、めちゃくちゃ楽しかったです。坪田先生に出会うまで、私のまわりにおもしろいと思える大人ってひとりもいなかったんです。だから大人になるってすげぇつまんないと思っていたし、まわりの大人を見下している部分があった。
でも坪田先生に出会って、こういう大人がいるんだったら私もこうなりたいし、こういう人がいっぱいいる世界にいきたいなと思ったから慶應大学に行こうと思ったんです。だからあのときにがんばったことで人生変わったなと、すごくいい出会いだったと改めて思っています。
高校2年生のとき坪田先生に、「さやかちゃんは人のことが大好きなんだよ。だって僕に人のことばっかり話しているから。だから大学に行っても、いろいろな人と出会っておいで。その人たちとの出会いが君の人生を大きく変えるきっかけになるはすだから」って言われて。
その坪田先生の言葉が軸になって、大学のときはとにかくいろいろな人に出会いたいと、1年生のときからファッションイベントの裏方やアルバイト、サークルもいっぱい入って、そうしたらそれまでとは比べ物にならないくらい出会いの数が多くなって、それが財産になりました。
大学を卒業してウェディングプランナーとして働いて、こんなに毎週、感動的に人と抱き合って、ありがとうって言える仕事ってないなと思ったんです。“夢” を感じていただく仕事なので、もちろんいろいろと葛藤もあって、高いものを売りつけたくないなとか、営業マンとしてはどうかなと思うところもいっぱいあったんですが、それでもお手伝いをさせてもらった新郎新婦とはいまでも交流があるし、そういう意味では天職だったなと思っています。
その経験があって今回のイベントも実現できているんです。社会人になって出会ったウェディングの仲間が、今日、いっぱい駆けつけて手伝ってくれています。そういう意味でも、社会人になってからも財産が増えたなと思っています。
ー この10年を一言で言うと?
元ビリギャル さやかさん
出会いというか、ご縁って言うとありきたりですが、私はひとりでは何もできないので、受験のときは坪田先生におんぶに抱っこで「先生!」って泣きついていたし、社会人になってからもいろいろな人に教えてもらって。私、たぶん教えてもらう天才なんですよね。“この子は何もできないから助けてあげなくちゃ” と思わせるみたいで(笑)。今回のイベントも私はほとんど何もやっていないのに、こんなに素晴らしいイベントができたのは、本当にいままでのご縁と出会いのおかげだなと思っています。
坪田信貴先生
君、ようしゃべれるねぇ。だいぶ講演慣れしてるなぁ(笑)。
でも、これって彼女の人柄なんですよね。人を惹き付けるというか。自分を下にしてボケたりとかしながら相手にやってもらうという(笑)。計算じゃなくて自然にやっているんですよね。
『ビリギャル』ではお父さんがすごい悪者に描かれています。でもお父さんは家族には厳しかったけど、仕事仲間想いで男気のある人だった。だから仲間がたくさんいる方だったんです。さやかちゃんもそういうところは強く受け継いでいるなぁと感じますね。だからいろいろな人が助けてくれるんだなぁって。
ー 坪田先生はさやかさんが人のことが好きなことを見抜いて、「人とたくさん会いなさい」というアドバイスをしました。先生は人のどういうところを見て、そういうことに気が付くんですか?
坪田信貴先生
僕は人に興味があるので、たとえばすごくブスッとしている子は、なんでそうしているのかなって思う。そこを「ちゃんとしなさい」と正すんじゃなくて、「どうしたの?」「何があったの?」と原因を探っていく。正すのはその子のためというよりも、自分の気が済むからですよね。だからそうやって話をすることかな。
それに話をすると、本人も「なんで私はそんなことで怒ってたんだろう?」ってなる。“内省を促す” というか、でも「あなた内省しなさい」ではなく、こっちが興味を持っていろいろ聞いていたら、自分のことを話しているうちにだんだん自分の気持ちに気が付いていくんですよね。
「ママ大学」はさやかちゃんの努力の結晶
世の中の多くの人たちの希望に
ー はじめてさやかさんに会ってから10年、いま、立派になった姿を見てどうですか?
坪田信貴先生
最初はもう、この子は何をしに塾に来たのかと思いましたよね。スプリングみたいに巻いた髪の毛(さやかさん曰く名古屋巻)を指でグルグルしながら「チョーアチィ」「チョーダリィ」「チョーウゼェ」って言っていて。まつげはひじきみたいで、まばたきで風が起こるんじゃないかって思うくらいの化粧だった。
当時は楽しいことしかやらないみたいな感じでしたが、それが多くの親御さん、お子さんのために自分ができることをって考えてやり始めたら、これだけ多くの人に助けられ、そして多くの人が満員になるほど来てくれて、本当に成長したなと思いますね。
「ママ大学」はさやかちゃんにぴったりだと思いますよ。さやかちゃんも『ビリギャル』は家族の物語と言っていますが、僕も主人公はお母さんだと思っていて、そもそも『ビリギャル』はお母さんへの手紙なんです。世の中のお母さんたちに届いてほしいなと。親御さんが変わると子どもも変わるし、そうなると家族が変わって、それが世の中全体も変えて、もっと明るく前向きになっていくと思うんです。だからこういう「ママ大学」をやっているのは、さやかちゃんの努力が結晶しているなと感じます。
ー さやかさんがこういうふうになるとは思っていましたか?
坪田信貴先生
慶應大学に受かったら本になって、映画になるよ、とは言っていたんですよ。なので、やっぱりなったな、というのが正直なところですね。
彼女のいいところは誰に対してもフラットなんですよね。なぜか僕に対しては常に上から目線で話をしてきますが、イラッとしない。それが10年間変わらない。変わらないままで、でもいろいろ努力をしたからこそ、こうやって人に評価されるようになってきている。だから逆に言えば、世の中のほとんどの人もそうなれるんじゃないかなと、いいロールモデルになっているんじゃないかなと思います。
ー これからはどうなってほしいですか?
坪田信貴先生
成功すればするほど、人からは「変わったね」って言われると思うんですが、人間なんて変わるのが当たり前なんで、どんどん、いままでのさやかではないさやかちゃんになっていって、世の中の多くの人たちの希望になってほしいなと思います。
ー さやかさんは、どうなりたいですか?
元ビリギャル さやかさん
ツボタセンセイミタイニ ナリタイデス。
坪田信貴先生
言わせたみたいに全然感情入ってないじゃん(笑)。
元ビリギャル さやかさん
でも本当にそう。映画のなかで、私、「坪田先生みたいに、誰かの将来のために一生懸命になれる人間になりたい」ってああちゃんに言うシーンがあるんですが、あれ、本当に言ったセリフで、いまでもそう思っています。
ー まだイベントの途中ですが、今日の感想は?
本当にたくさんの人が来てくれて、たくさんの人に手伝ってもらって、ありがたいです。大成功です!
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