2018年2月16日(金)全国ロードショー!
グレイテスト・ショーマン
2017年/アメリカ/カラー/1時間45分
配給:20世紀フォックス映画
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
鑑賞日:2017年12月22日(金)
TEXT:キッズイベント 高木秀明
ヒュー・ジャックマン ×『ラ・ラ・ランド』
感動ミュージカル・エンターテインメント!
19世紀半ばのアメリカで、ショービジネスの原点を築いた実在する伝説の興行師 P.T.バーナムの半生を描いたミュージカル。『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞を受賞したベンジ・パセックとジャスティン・ポールが音楽を手がけ、『レ・ミゼラブル』の歌声で世界中を魅了したヒュー・ジャックマンが主人公 P.T.バーナムを演じる。脚本は『シカゴ』でアカデミー賞候補となり、大ヒットした『美女と野獣』の監督を務めたミュージカルの達人ビル・コンドン。ミュージカル好きにとっては、いやがうえでも期待が高まる。
妻への一途な愛を糧に夢を追いかける空想家のバーナムは、何もないところから野心とアイデアでショービジネスを立ち上げ、世界中でセンセーションを巻き起こす。それは、イギリスのヴィクトリア女王に謁見するほどまでに。
荒削りなサーカス的なショーはパワフルでエネルギーに満ちあふれ、冒頭から一気に映画の世界に引きずり込まれる。音楽も、歌声も、ダンスも演技も素晴らしく、1時間45分という上映時間では短かい。もっと観ていたいと思ったし、欲を言えばもっと人間のドロドロしたところも見たかった。野心家で山師のようなバーナム、成り上がっていく過程で、本当はもっといろいろとあったはずだ。ちょっとキレイに描き過ぎかなと感じた。
“This is Me(これが私)”
自分自身と輝ける場所を探そう!
バーナムがショービジネスを行なうにあたり集めたメンバーは、いろいろ訳ありな人たちだ。差別や偏見に見舞われている者も多く、ショー自体も賛否両論。今の時代も同じような状況であるのが寂しいところだが、誰にとっても “居場所” というものは本当に大切なんだということが、よくわかる。
映画の主題歌であり、バーナム一座のパフォーマーたちが自らを鼓舞するときに歌う曲「This is Me(これが私)」は、まさにそんな一曲。勇気をもらえること間違いなしだ。そして、安心していられる場所、理解してもらえる場所、自分の輝ける場所、そういう場所があれば人は卑屈にならず、夢に向かってチャレンジすることができる。子どもにとっては、まずは家がそうあるべきだろう。この映画は家族の物語でもあり、幸せが何かも考えさせてくれる。
人種や社会的地位の違いに悩みながらも恋に落ちるザック・エフロンとゼンデイアのミュージカル・シーンも、見どころのひとつ。ダイナミックで美しいアクロバットで心情を表現するその曲は「Rewrite The Stars(星を書き換える)」。ふたりが結ばれるために「運命を変えよう」と歌う。
なおミュージカルの醍醐味となる歌とダンスは、そのときの登場人物の心情を表現している。しかし英語が堪能でなければ、字幕(歌詞の和訳)を読みながらではダンスに集中できず、ダンスを観ては字幕が読めない。歌の意味は、ある程度事前に知っておいた方が映画への理解が深まるし、より楽しめるはずだ。最近は映画公開前に予告編をはじめ、さまざまな関連動画が公開されることが多く、事前知識を入れ過ぎてしまうのはおすすめしないけれど、「This is Me」と「Rewrite The Stars」は、歌の意味を知っておいてもいいかもしれない。
「This is Me」には『グレイテスト・ショーマン』と登美丘高校ダンス部がコラボしたプロモーション動画があり(※ページ下部に掲載)、これなら純粋に歌詞の意味を追うことができる(しかし素晴らしいダンスで、これだけでもけっこう泣ける)。
激しいラブシーンはなく、また人間のドロドロがないぶん、子どもと一緒には観やすい。1時間45分という上映時間もちょうどいいかもしれない。わかりやすいサクセスストーリーだし、迫力あるダンスシーンには圧倒される。ミュージカル好きならぜひ観て欲しい。そして自分の居場所ってどこだろう、どうつくっていこう、そんなことも考えさせてくれるはずだ。
【映画紹介・予告編】「グレイテスト・ショーマン」2018年2月16日(金)全国ロードショー!
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『グレイテスト・ショーマン』× 登美丘高校ダンス部「THIS IS ME(これが私)」
この映画、子どもと一緒に楽しめる?
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