2018年3月13日(火)から国立科学博物館で開催!

特別展「人体ー神秘への挑戦ー」体験レポート

2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!特別展「人体ー神秘への挑戦ー」に行ってきた!

高価な蝋製模型の代用として紙粘土でつくられた人体模型「キンストレーキ」。オランダ語で直訳すると「人造死体」。手前は男性、奥には女性のキンストレーキも展示

もっとも身近にありながら謎多き “人体”
人体研究の歴史から最先端研究に迫る特別展

8回シリーズで放送中のNHKスペシャル「人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」と連携し、人体研究のはじまりから最新の知見までを、レオナルド・ダ・ヴィンチの「解剖手稿」をはじめとする貴重な実物資料や模型、4Kの最新映像を交えて紹介する特別展「人体ー神秘への挑戦ー」が、2018年3月13日(火)から国立科学博物館で開催! 前日となる12日(月)に内覧会が行なわれ、行ってきました! 会場にはたくさんのメディアが集まり、同展への関心の高さが感じられました。

2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!特別展「人体ー神秘への挑戦ー」に行ってきた! 子供と一緒に「人体」の謎を楽しもう!

1543年に解剖学者ヴェサリウスがまとめた革命的な解剖図譜『ファブリカ』に登場する「筋肉人間」。筋肉を層ごとに取り除き骨だけの状態にしている

会場内は大きく3つに分けられ、前半はレオナルド・ダ・ヴィンチや解剖学者ヴェサリウスなど人体研究のパイオニアの軌跡をたどり、中盤は実際の標本を使っての人体と他の動物との比較解剖、そして最後は現在の最先端技術を用いた21世紀の人体研究を紹介しています。

前半部分ではダ・ヴィンチが実際に解剖を行ないそれをまとめた『解剖手稿』、ヴェサリウスの革命的な解剖図譜『ファブリカ』の展示はもちろん、18世紀以降にヨーロッパで作製された精巧な人体模型「ワックスモデル」、しかしワックスモデルは非常に高価だったため、その代用として考え出された紙粘土製の人体模型「キンストレーキ」などが展示され、14世紀〜15世紀には実際に人体を解剖して研究し、現在にも通じる解剖学の基礎が熟したことがわかるようになっています。ダ・ヴィンチの『解剖手稿』からも、ダ・ヴィンチがどれほど人体の仕組み、謎にのめり込んだかが伺えます。

2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!特別展「人体ー神秘への挑戦ー」に行ってきた! 子供と一緒に「人体」の謎を楽しもう!

レオナルド・ダ・ヴィンチの『解剖手稿』に書かれた「右心室と三尖弁」。当時は「血液循環」という概念は発見されておらず、ダ・ヴィンチも心臓は血液を熱することで生命精気をつくり出す装置と考えていた

さまざまな生物と人類の臓器を比較
比較することで見えてくる人体の特殊性

中盤の比較解剖では、心臓、肺、脳、腎臓などを、臓器ごとのブースにわけて詳しく紹介。説明に大きな模型を使っていたり、ゾウやキリンなどの大型哺乳類、イルカなどの水生生物、人類に近い類人猿、そして実際の人類の臓器の標本を比較しながら見ることができ、その違いや類似点がわかりやすくなっています。「心臓」のブースでは動物ごとの鼓動の早さもランプの点滅で見比べることができました。哺乳類の鼓動の早さは寿命にも関係しています。

また「脳」のコーナーではアインシュタインの脳切片を展示。普通の人の脳と重さなど変わらないところもあれば、部位によっては特異な部分があったと言われています。誰もが気になる「頭がいいってどういうこと?」にもひとつの回答を出していて、「脳」はやっぱりおもしろい。

そして数年に1度、腎臓や尿管に結石のできる身としては、腎臓から膀胱へと伸びる管の細さに身悶えしました。

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「心臓」のブースには、10倍の大きさにした模型が置かれていました。心臓の1回の心拍出量は約70ミリリットル、心拍数は70〜75回/分(いずれも安静時)

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人の血液量や1分間に心臓が送り出す血液量がクイズ形式で出題。会場内には人体に関するクイズがあちらこちらにありました

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「心臓」のブースではネズミからゾウ、キリンの心臓の標本を展示。大きさがわかるとともに、ランプの点滅で心拍の早さを表示。哺乳類では心拍数は寿命にも関係している。左側の壁には動物の知るシルエットと、心臓の位置が描かれている

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右はゾウの心臓。その左は見えないがネズミの心臓。小豆ほどの大きさ。心拍数はゾウが20回/分に対して、ネズミは600〜700回/分

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キリンの心臓と骨格標本。哺乳類は通常、肺だけに血液を送る右心室に比べ、体循環を行なう左心室壁の方が厚いがその比率は1:1.5〜2.0ほど。しかしキリンの左心室は2メートル以上も高いところにある頭に血液を送る必要があるため、右心室壁が1.5センチに比べ、左心室壁は8センチもある

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人体の臓器も本物であるため、見たくない人は見なくてすむ配慮がされていました。標本なので肉や血液のような赤ではなく、白やグレーな感じ。特に怖いとも気持ち悪いとも感じませんでしたが、特にお子さんの場合には確認し、見る際はある程度の覚悟をしてもらってから見てください

とてもおもしろいけど
小さい子どもにはちょっと難しい

小学生の頃、学研の「からだのひみつ」や「人体図鑑」を愛読し、人体解剖図を描いては近所に配っていました。そんな少年にとって、当時、このような展覧会があればたまらなく嬉しかったでしょうが、全体的には子どもには少々難しいかなという印象。人体模型などが置かれている前半部分の独特の雰囲気も、ちょっと怖いかもしれない。

ターゲットが違うのかもしれないけれど、たとえば人体パズルや人体循環器迷路があったり、もう少し子どもが楽しめる工夫もあれば、なおよかった。しかし、自分の体の中にあるけれど、なかなか実物を見る機会のないものを見ることができ、どんな働きをしているのかがよくわかる貴重な機会。自分の体に興味を持つことは、健康にも役立つと思います。体の仕組みや生物に興味があったり、これから学校で勉強がはじめる子どもたちには、特におすすめ。もちろん親子で楽しめます!

特別展「人体ー神秘への挑戦ー」は、2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!

【イベント紹介】特別展「人体ー神秘への挑戦ー」2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!

【レポート】特別展「人体ー神秘への挑戦ー」記者発表会

2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!特別展「人体ー神秘への挑戦ー」に行ってきた! 子供と一緒に「人体」の謎を楽しもう!

「脳」のブースにも大きな模型。人体のなかでもひときわ謎に包まれた神秘的な器官だ

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スイスの解剖学者エピーがつくった脳と脊髄の神経細胞の線維構築模型

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クジラなどの哺乳類とウミガメ、サンショウウオの脳を展示

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マッコウクジラ、アジアゾウの脳

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霊長類の骨格と脳を展示

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猿人、原人、旧人、新人の脳の大きさを比較、私たち新人よりもネアンデルタール人などの旧人の方が大きな脳を持っていた。しかし新人が前頭葉が発達しているのに対し、旧人は主に視覚に関する後頭部が発達していた

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アインシュタインの脳切片

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腎臓や膀胱などのブース。腎臓は単なる排泄器官ではなく、細胞が正常に動くために必要な水や電解質の量を調整している

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NHKスペシャル「人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」で使われたタモリさんのブロックによる人体解剖モデル

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以前はすべての指令を脳が出していたと考えられていたが、いまでは臓器同士が会話していることがわかった。「ネットワークシンフォニー」では、番組で紹介した新たな人体観を、色や音で表現した空間。まるで宇宙空間のようだ

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人体どーもくんが特別展「人体ー神秘への挑戦ー」の応援に来ていました!

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