もっとも身近にありながら謎多き “人体”
人体研究の歴史から最先端研究に迫る特別展
8回シリーズで放送中のNHKスペシャル「人体〜神秘の巨大ネットワーク〜」と連携し、人体研究のはじまりから最新の知見までを、レオナルド・ダ・ヴィンチの「解剖手稿」をはじめとする貴重な実物資料や模型、4Kの最新映像を交えて紹介する特別展「人体ー神秘への挑戦ー」が、2018年3月13日(火)から国立科学博物館で開催! 前日となる12日(月)に内覧会が行なわれ、行ってきました! 会場にはたくさんのメディアが集まり、同展への関心の高さが感じられました。
会場内は大きく3つに分けられ、前半はレオナルド・ダ・ヴィンチや解剖学者ヴェサリウスなど人体研究のパイオニアの軌跡をたどり、中盤は実際の標本を使っての人体と他の動物との比較解剖、そして最後は現在の最先端技術を用いた21世紀の人体研究を紹介しています。
前半部分ではダ・ヴィンチが実際に解剖を行ないそれをまとめた『解剖手稿』、ヴェサリウスの革命的な解剖図譜『ファブリカ』の展示はもちろん、18世紀以降にヨーロッパで作製された精巧な人体模型「ワックスモデル」、しかしワックスモデルは非常に高価だったため、その代用として考え出された紙粘土製の人体模型「キンストレーキ」などが展示され、14世紀〜15世紀には実際に人体を解剖して研究し、現在にも通じる解剖学の基礎が熟したことがわかるようになっています。ダ・ヴィンチの『解剖手稿』からも、ダ・ヴィンチがどれほど人体の仕組み、謎にのめり込んだかが伺えます。
さまざまな生物と人類の臓器を比較
比較することで見えてくる人体の特殊性
中盤の比較解剖では、心臓、肺、脳、腎臓などを、臓器ごとのブースにわけて詳しく紹介。説明に大きな模型を使っていたり、ゾウやキリンなどの大型哺乳類、イルカなどの水生生物、人類に近い類人猿、そして実際の人類の臓器の標本を比較しながら見ることができ、その違いや類似点がわかりやすくなっています。「心臓」のブースでは動物ごとの鼓動の早さもランプの点滅で見比べることができました。哺乳類の鼓動の早さは寿命にも関係しています。
また「脳」のコーナーではアインシュタインの脳切片を展示。普通の人の脳と重さなど変わらないところもあれば、部位によっては特異な部分があったと言われています。誰もが気になる「頭がいいってどういうこと?」にもひとつの回答を出していて、「脳」はやっぱりおもしろい。
そして数年に1度、腎臓や尿管に結石のできる身としては、腎臓から膀胱へと伸びる管の細さに身悶えしました。
とてもおもしろいけど
小さい子どもにはちょっと難しい
小学生の頃、学研の「からだのひみつ」や「人体図鑑」を愛読し、人体解剖図を描いては近所に配っていました。そんな少年にとって、当時、このような展覧会があればたまらなく嬉しかったでしょうが、全体的には子どもには少々難しいかなという印象。人体模型などが置かれている前半部分の独特の雰囲気も、ちょっと怖いかもしれない。
ターゲットが違うのかもしれないけれど、たとえば人体パズルや人体循環器迷路があったり、もう少し子どもが楽しめる工夫もあれば、なおよかった。しかし、自分の体の中にあるけれど、なかなか実物を見る機会のないものを見ることができ、どんな働きをしているのかがよくわかる貴重な機会。自分の体に興味を持つことは、健康にも役立つと思います。体の仕組みや生物に興味があったり、これから学校で勉強がはじめる子どもたちには、特におすすめ。もちろん親子で楽しめます!
特別展「人体ー神秘への挑戦ー」は、2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!
【イベント紹介】特別展「人体ー神秘への挑戦ー」2018年3月13日(火)〜6月17日(日)まで国立科学博物館で開催!
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