裸足になってアート作品に没入!
作品との一体感を楽しむ!
2018年7月7日(土)の七夕、新豊洲にオープンした「チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com(以下、チームラボプラネッツ)」は、まるで異なる惑星をさまよい、さまざまな異世界を体験するかのように、アートへの世界に体ごと没入する大きな空間です。ひとつひとつの作品の中に身を置き、自らが作品に溶け込みその一部であるかのような感覚を味わえます。
「チームラボプラネッツ」の大きな特徴は、裸足で楽しむということ。膝下くらいまで水の中に入る作品があるため、施設内に入るときに裸足になります。いつもより解放的な気分を味わえるだけでなく、全体的に薄暗い空間の中、足裏に感じるさまざまな感触は、いつも以上に敏感で新鮮、そして気持ちよく感じられます。
水を使った主な作品は、水の流れる坂を歩く「坂の上にある光の滝 / Waterfall of Light Particles at the Top of an Incline」と、水面を泳ぐ鯉や光の線を膝下まで水に入りながら楽しむ「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング / Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and People – Infinity」。
鯉は人々やそのほかの鯉の影響を受けて進む方向を変え、人々にぶつかると花となって散っていきます。そして、その鯉の泳いだ軌道が光の線で描かれます。自らの存在が影響して描かれたこの瞬間の作品は、もう二度と同じものを見ることができません。
また “プラネッツ” という名に相応しい作品が「Floating in the Falling Universe of Flowers」。ドーム型の会場には咲いては散る花が無限に映し出され、床が鏡になっているため、まるで花の咲き乱れる宇宙空間を浮遊しているかのように感じます。そしてやがて、宇宙と一体化していく。座ったり、寝転んだり、目をつむったり、時間を忘れて、不思議な感覚を楽しめます。
「Floating in the Falling Universe of Flowers」も、人の存在が映像に影響を与え、世界は自分や他者の存在で変化する連続的なものということを表現しています。
アート作品との一体感は自分を解放するような感覚もあり、またすべてのアート作品でそれぞれにあった香り、音楽が流れ、癒しの空間のようでもありました。
「チームラボボーダレス」とはどう違う?
子どもと行くならどっちがいい?
チームラボは2018年6月21日(木)、お台場パレットタウンにデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス お台場(MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless/以下、チームラボボーダレス)」をオープンしました。「チームラボプラネッツ」とは、ゆりかもめで20分程度の距離。どちらもチームラボのアート作品を楽しめますが、その違いは? そして子どもと一緒ならどちらに行った方がいいのか、もしくは、どちらから先に行った方がいいのかは、誰もが悩むところでしょう。
「どちらに行った方がいいのか?」への答えは「どちらも」なのですが、どちらからと問われるとなかなか難しい。もちろん「行きたい方」というのは、ひとつの正解です。
それぞれのコンセプトは、「チームラボプラネッツ」が体ごとひとつのアート作品に没入し、それを通して自分と世界との境界を考え直すということに対して、「チームラボボーダレス」は60ほどあるアート作品が移動し、影響し、境界のない形で混ざりあう世界を人々が探索し、いろいろなことを発見していくというもの。
簡単に言うと「チームラボプラネッツ」は自らが作品の一部になることで、作品と自分自身との間に境界がなくなるように、実はわれわれのまわりには、最初から境界などないということに気が付いてほしい、というもの。一方の「チームラボボーダレス」は、刻々と変化する森のような作品世界のなかを彷徨い、自らの体を使って新しい何かを発見するというもの、と認識しています。
さらに「チームラボボーダレス」には、他者と共に世界を自由に創造することを楽しむ「学ぶ! 未来の遊園地」と、“空間認識能力” を鍛える「チームラボアスレチックス:運動の森」があります。
施設の広さはどちらも1万平方メートルほど。作品数はチームラボプラネッツの7作品に対して、チームラボボーダレスは60作品ほどあります。ちなみに料金は以下の通り。
【チームラボプラネッツ】
・大人(18歳以上):3,200円
・中人(12歳〜17歳):2,700円
・小人(4歳〜11歳):2,000円
【チームラボボーダレス】
・大人(高校生以上15才〜):3,200円
・子ども(中学生以下4〜14才):1,000円
※「チームラボプラネッツ」では2018年7月31日(火)まではオープン記念平日割引チケットを販売、またプライオリティレーンチケットなどもあります。
なお、両施設ともベビーカー置場が用意され、年齢制限は設けていません。
『キッズイベント』の結論は‥‥
『キッズイベント』としては、「学ぶ! 未来の遊園地」を未体験なら、もしくはお子さんが体を動かしたいなら、「チームラボボーダレス」から体験してみるのがいいと思います。「学ぶ! 未来の遊園地」は、日本をはじめ世界各地で開催され人気を博している企画展ですし、楽しみながら子どもたちの脳の成長を促す「チームラボアスレチックス:運動の森」では、思いっきり体を動かすことができます。作品数も「チームラボプラネッツ」よりも多く、それこそ1日楽しめるはず。
その代わり親御さんはちょっと大変。「チームラボボーダレス」のコンセプトのひとつに迷い彷徨うこととあるように、興味の赴くまま縦横無尽にあちこち突進する子どもからは目が離せません。しかし、たくさんの子どもに来て欲しいという思いは、「チームラボプラネッツ」よりもリーズナブルな子ども料金にも表れているような気がします。
「チームラボプラネッツ」は基本的には一方通行で、ひとつひとつのアート作品をじっくり楽しみながら進みます。自らの存在が作品にどのように影響するか、その一体感を楽しむには、それなりの時間も必要となります。チームラボ代表の猪子寿之さんも「チームラボプラネッツの方が、ひとつひとつの作品は理解しやすいかもしれない」とおっしゃっていました。
作品の理解となると年齢層は高くなりそうですが、不思議な空間への興味や感じる力に年齢は関係ありません。特に水を使ったアート作品は、子どもはパンツまでびしょ濡れにしながら喜びそうです。着替えがあった方が、安心して楽しめます。
結局はどちらにも行ってみてほしいのですが、どちらにしても、子どもたちはきっと忘れられない体験をしたり、好奇心を刺激されたり、新たな何かを感じるはずです。大人も子どもと一緒にたっぷり楽しめるとともに、日常を忘れられる癒しの空間でもあると思います。
なお「チームラボプラネッツ」には2018年8月からレストランが併設予定。「チームラボボーダレス」には、お茶の中で花々が咲き続け、その無限に広がる世界をそのままいただくティーハウス「EN TEA HOUSE」があります。
■ チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com
https://planets.teamlab.art/tokyo/jp/
チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com, 2018,豊洲, 東京, 日本© チームラボ
■ チームラボボーダレス お台場 公式サイト:森ビルデジタルアートミュージアム」
https://borderless.teamlab.art/jp/
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