スタジオポノック最新作! 2018年8月24日(金)全国公開!
ちいさな英雄 ーカニとタマゴと透明人間ー
2018年/日本/カラー
配給:東宝
©2018 STUDIO PONOC
鑑賞日:2018年8月6日(月)
TEXT:キッズイベント 高木秀明
スタジオポノックの新プロジェクト!
“現代のちいさな英雄” を描いた3つの物語
米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』が大ヒットを記録したスタジオポノックが、この夏「ポノック短編劇場」というプロジェクトをスタート。『ちいさな英雄 ーカニとタマゴと透明人間ー』は、その記念すべき第一弾映画となり、3本の短編で構成されている。
今回の短編はすべて「Life」を大きなテーマに、3人の監督がそれぞれ何かしらの “挑戦” をしているそうだ。たとえば米林宏昌監督はCGと手描きの融合により、今までとは異なる表現をめざした。それぞれの監督がどのような挑戦を行なっているのかを探りながら観るのも楽しい。
米林宏昌監督の『カニーニとカニーノ』は、監督初のオリジナルストーリーとなる、サワガニの兄弟の大冒険ファンタジー。兄弟の住む水中世界はとても美しいが、常に生命の危機が背中あわせに存在している。気が付くことはほとんどないが、私たちの身近にある、それぞれの生き物の世界で、常にそのような命のやりとりが繰り広げられているということに改めて気が付かされる。毎日が命がけの冒険だ。そしてそれを乗り越えることで成長してゆく。サワガニの兄弟の声優は木村文乃さんと鈴木梨央さん。すべてカニ語だが、カニ語がわからない方から小さなお子さんまで、誰もが楽しめる。
【インタビュー】米林宏昌監督が『カニーニとカニーノ』に込めた想いについてお伺いしました!
百瀬義行監督の『サムライエッグ』は、たまごアレルギーを持った少年とその家族が懸命に生きる姿を描いた、実話をもとにした物語。子育て中の方にとっては、3本のなかでは、おそらく一番共感しそう。百瀬義行監督は高畑勲監督の右腕として活躍した方で、『かぐや姫の物語』を彷彿とさせる表現も見てとれる。ママ役の声優を務めた尾野真千子さんの、強さのなかにも不安や子どもを思いやる気持ちが込められた声もとてもよかった。
山下明彦監督の『透明人間』は、どちらかというと、大人向け。しかし子どもたちにも、「どういうこと?」という疑問と、透明人間の動きに目は釘付けになるかもしれない。おもしろいのは、見えない透明人間を絵で描いていること。そもそも「もし動かす人物が見えず、表情すら動かせないとしたら、一体どのような物語が描きうるか?」という難題への挑戦から、この企画はスタートしたそう。誰にも気が付かれない透明人間は、人はおろか重力からも見放され、このままでは消えてしまう。存在とは何かを問いかけているようだ。透明人間の声優はオダギリジョーさん。息づかいや吐息でさまざまな感情を表現しなければならない役を見事に演じていた。
いずれも20分に満たない物語で、これから先も続く彼らの戦いをまだまだ観ていたくなる。この続きは、ぜひ子どもと一緒につくってほしい。
【インタビュー】『カニーニとカニーノ』の米林宏昌監督インタビュー!
【映画紹介・予告編】スタジオポノック最新作!「ちいさな英雄 ーカニとタマゴと透明人間ー」2018年8月24日(金)全国公開!
この映画、子どもと一緒に楽しめる?
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