2019年1月18日(金)よりユナイテッド・シネマほか全国ロードショー!
『劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説』葵わかなさんインタビュー!
野生動物の3つの家族の物語
読み聞かせるようなナレーションに
ー『劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説』では、群れから追放されて放浪の旅を続けながら群れの王をめざす「オスライオン」、家族を失いたった1頭で幼い子どもを育てる「メスライオン」、争いで片腕を失った子どもを優しく見守りながら暮らす「ゴリラ」の3つの家族の物語が描かれていますが、葵さんが一番惹かれたのはどの家族、動物でしたか?
葵わかなさん
正直、一番は選べないんですが、どうしてもどれかというなら‥‥。でも、どうしようかなぁ‥‥。
橋場利雄さん(自然番組ディレクター)
難しい質問ですね(笑)
葵わかなさん
そうなんですよね。もう、感情移入がすごすぎて、どの家族にもいいところがあるんです‥‥。でも、同じ女性としてメスライオンのナイラかな。
ー 感情移入したというナレーションですが、映画のナレーションははじめてですよね。気をつけたり、工夫したことはありますか?
葵わかなさん
感情を込めないナレーションの方が番組として素敵になることもありますが、今回の『劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説』では、いただいた台本も話し言葉になっていましたし、内容的にもお子さんが観てわかりやすく、楽しめる内容なので、子どもたちに読み聞かせをするような、親しみのある感じを意識して読みました。
ー 台本は自分が話しやすいように言葉を直したりするんですか?
葵わかなさん
直すことはありませんでしたね。「あれ? 何をしているのかな?」とか「お父さん、かっこいいね」とか、そういう語りかけている言葉が多かったので、そのままの言葉を、“こういう気持ちで読みたいな” という自分の感情をプラスして読みました。
ー ナレーションで動物の気持ちや状況を説明していますが、葵さんが観ている人に伝えたいと思ったことはどんなことですか?
葵わかなさん
私たちがイメージする動物って、人間よりも考えていることが少ないような、そんな感じだと思うんですが、ちゃんと絆があって、家族で助け合って生きています。親に群れから追い出されたりして「ちょっと〜!」って思うこともあるんですが、でもそれは生きていくための試練として親が与えているもので、動物たちがどう思っているかはわかりませんが、私たちが思っているよりも温かいものなんです。私はこの映像を観てそう感じたので、そういう温かさが伝わればいいですね。
ー 葵さんがご両親から受けた試練はありますか?
葵わかなさん
え〜! でも、小さい試練はいっぱいありますよね。保育園に通っていたときに髪の毛を伸ばしていて、「結んで」って言ったら「自分で結べないなら髪の毛を切りなさい」と言われて、結ぶ練習をして結べるようになったりとか、勉強もちゃんとしなさいという家庭だったので、目標を決めてちゃんと勉強したりとか、試練と言えるかはわかりませんが、そういうのは普通にありましたね。
劇場版ならではの醍醐味!
動物から学ぶこともたくさん!
ー 若松さんは「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」のプロデューサーですが、いつものテレビ版と今回の劇場版で大きな違いはどういうところですか?
若松博幸さん(「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」プロデューサー)
テレビは30分という時間の制限があるので、今回で言うと、群れを追い出されたオスライオンのウィリアムのような長いストーリーはつくれません。長い年月をかけて撮影し、テレビではいくつもに区切って観ていただくようなものを、ひとつのストーリーとしてつくることができるのは見どころのひとつだと思いますし、今回は3つの家族が出てくるので、それぞれの家族のストーリーをいっぺんに見ていただける醍醐味もあると思います。
それとやっぱり、アフリカの大自然、ライオンをはじめとする野生動物の迫力ある表情などを大画面で楽しめるのは劇場版ならではです。ぜひ劇場で楽しんでいただきたいですね。
ー 橋場さんは自然番組のディレクターとして30年にもわたってアフリカに行って撮影されています。たくさんの野生動物を見ていらっしゃると思いますが、野生動物の生き様から学んだことはありますか?
橋場利雄さん
動物って全力で生きているんです。もう生きるのをやめちゃおうとか、誰かのせいで自分がうまくいかないとか、そういうのがまったくないんですよね。ひとつの命を最後の瞬間まで一生懸命に生きているのは、やっぱり見ていて心を打たれます。
人間って、うまくいかないと人のせいにしたり、疲れたからもうやめちゃおうかとか、そういうのがありますが、動物にはまったくないんですね。ケガをしても病気でも、どんなときでも、死ぬまで全力で生きています。それは見習いたいところですね。
ー 人間は失敗すると後悔したり反省することがありますが、動物も後ろ向きになることはありますか?
橋場利雄さん
それはないと思いますね。もちろん失敗から学習はしますよ。常に学習を積んで名ハンターになったり、逃げるのがうまくなったり、でも自分が失敗したことで後ろ向きになることはないですね。それはすごく教えられるところです。
ー 餌がとれないと自分や家族が死んでしまいます。葵さんがなかなかできなくても諦めずにチャレンジし続けたことはありますか? お芝居でうまく表現できずに挑戦し続けるとか。
葵わかなさん
お芝居は正解のない世界なので、わかりやすく “できない” という状況がないんですよね。「これは絶対に違う」ということを誰も決めないと思うので、できなくて頑張ったということはないですね。
ー 女優さん、俳優さんをめざしている子どもたちがたくさんいます。小学校生活にやっていたことで、今、役立っていることはありますか?
葵わかなさん
本が大好きで、小学生のときは毎時間図書室に行くような子どもだったので、それは今のお仕事をするうえでの基盤になっていると思います。でも頑張っていたのではなく、好きでやっていたことなので、一番大事なのは “好き” という気持ちだと思います。
動物撮影とドラマ撮影
待ち時間に意外な共通点!
ー 撮影のときは動物が動き出すまで、いい絵が撮れるまでかなり長い時間 “待つ” 仕事だと思いますが、長い待ち時間はどのように過ごしているんですか? 集中力はどのように維持するのでしょうか?
橋場利雄さん
本当に待つ時間が長くて、まずは被写体を見つけるまでの時間、そして見つけてからは動物が動くまでの時間。たとえばライオンは一日中寝ていて、いつ動き出すかわかりません。
カメラマンと2人で仕事をすることが多いのですが、「日本に帰ったら何食べる?」とか、「今、何が欲しい?」とか、ずっとそんな、同じような話をしています(笑)。「昨日、アレが食べたいって言ってたけど、今日は?」とか。動物から目を離せないので、そういうバカバカしい言葉遊びみたいなことをずっとしています。
葵わかなさん
私たちも撮影を待っている間は、ずっとそういう話をしています(笑)。
ー そこから急に気持ちは切り替えられるんですか? 動物の場合は動いたら一気に集中せざるを得ないですが。
葵わかなさん
でも逆にずっと同じ気持ちでいるのは無理ですよね。勉強と同じで、集中するときはする、しないときはしないという緩急が大事かなと思っています。もちろんギリギリまで話しているわけじゃなくて、私たちの場合は動物と違って唐突ではなく、「これから始まりますよ」って声をかけていただけるので。
たくさんの新たな発見を
家族みんなで楽しんで!
ー 今回の劇場版でライオンとゴリラの家族の話にしたのはなぜですか?
若松博幸さん
映画の企画をいただいて、最初に今までに撮影した12年分のリストを並べてみんなで議論しました。そして野生動物が多くて撮影も進んでいるアフリカという地域を選び、テーマは小さいお子さんからお年寄りまで観ていただけることを考えて、“家族” をキーワードにするのがいいんじゃないかとなり、そこでアフリカで家族で暮らしている動物をピックアップして、今回の3組になりました。
ー 次の作品も考えていますか?
若松博幸さん
アフリカ以外の地域もありますし、今回は陸の動物だけでしたが、海もあります。まだまだできると思っています。
ー 30年前の1988年からアフリカの動物の取材をされています。当時と比べて動物や環境に変化はありますか?
橋場利雄さん
相当変わりましたね。ゾウが壊したり食べちゃったりして森がなくなったり、ヒョウが登っていた木が倒れちゃって、ヒョウの居場所がなくなったり。そこにはそれなりのドラマがあるんですが、環境は大きく変わっています。その姿もずっと撮っていて、そういう番組も作って放送しています。
人的な環境も大きく変わっていて、30年前は機材が壊れるとどうしようもありませんでした。通信手段がなくて、電話をかけるのに2泊3日かけて電話のあるところまで行って、発電機を回して電話をするとか。
でも今はマサイ族も携帯電話を持っていますから、機材が壊れてもすぐに連絡して持って来てもらえます。機材も小さく高性能になり、いろいろなアングルから撮影できるので、映像にバラエティを出すことができます。30年前と比べると、格段に便利になりましたね。
ー 最後に、それぞれの立場から本作の見どころを教えてください。
葵わかなさん
私が一番、観客のみなさんと近い立場にいると思いますが、単純に可愛いなというのも含めて、動物のさまざまな表情が見られる、小さなお子さんでも観やすい映画だと思います。そして動物にも家族がいて、その絆に心打たれたり、動物から学ぶこともたくさんありました。ナレーションをさせていただき、家族のお話なので、お子さんはもちろん、ご両親やおじいちゃんおばあちゃんと一緒に観ていただければと思っています。
若松博幸さん
劇場の大画面では、テレビとは違った感じ方をしていただけると思っています。また家族というテーマにぴったりの葵さんの声で、あるときは現場にいるかのように、そしてまたあるときは家族の一員になったかのように、いろいろな立場や気持ち、角度からナレーションをしていただいているので、映像をより身近に感じられると思います。そこも楽しんでいただきたいですね。
橋場利雄さん
現場で映像を撮るときに何を基準にしているかというと、“未知” ということなんです。まだ発見されていないことを、常に探し求めているんです。すでに本に書かれていることを撮ってもドラマはありませんから。
今回の3つの家族にも、よく知られていない部分をたくさん散りばめているので、ぜひ観て発見していただきたいですね。葵さんも「あっ!」とか、「あれ?」とか、たくさんの発見や驚き、そして励ましもあったりして、共感していただける部分はたくさんあると思います。映画を観て、一緒に新しい発見をしてもらえると嬉しいですね。
『劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説』は、2019年1月18日(金)よりユナイテッド・シネマほか全国ロードショー!
2019年1月18日(金)よりユナイテッド・シネマほか全国ロードショー!
劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説
2006年のテレビ放送開始から12年、NHK総合テレビの人気自然番組「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」初の映画化!
哺乳類だけでも1,000種類もの動物がいる野生動物の宝庫「アフリカ」。壮大で厳しい自然の中で命をつなぐため、多くの動物たちは「家族」で暮らします。今回紹介するのは、そんな大自然で力強く生きる3つの「家族」の物語。優しく、そして力強く生き抜く素晴らしいそれぞれの家族の姿は必見です!
番組キャラクターの「ヒゲじい」(声:龍田直樹さん)とともに野生動物たちの物語をナビゲートする女優の葵わかなさん、エンディングテーマに決まったMISIAさんの新曲「AMAZING LIFE」にも注目が集まっています。
http://darwin-movie.com/
葵わかな(あおい わかな)
1998年6月30日生まれ。2009年、天然水のCMでデビュー、同年10月に『サムライ・ハイスクール』(日本テレビ系)で女優としてデビューする。2017年にはNHK連続テレビ小説『わろてんか』、2018年は映画『青夏 きみに恋した30日』、2019年上演の『ロミオ&ジュリエット』ではミュージカルに初挑戦。映画、ドラマ、舞台、CMと幅広く活躍している。
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