
2019年11月4日(月・振休)までサンシャイン水族館で開催中の「性いっぱい展」。会場内はピンク色に官能的な音楽。1階は歓楽街、2階はホテルの部屋をイメージした雰囲気になっている。2階の方が内容は少し刺激的と感じた
会場内は真っピンク!
海の生き物たちの「性」に関する展覧会
サンシャイン水族館では、海の生き物たちの「性」に関するコンテンツを体験できる夜のサンシャイン水族館「性いっぱい展」を2019年11月4日(月・振休)まで、18:30~22:00の夜間特別営業時間に開催しています。
サンシャイン水族館が真面目に取り組んだ「性」に関する展覧会ですが、やはり気になるのは、子どもたちと一緒に楽しめるものか、というところ。そこで、開催日前日に開催された内覧会に行ってきました!
【イベント概要】夜のサンシャイン水族館「性いっぱい展」 2019年9月27日(金)~11月4日(月・振休)までサンシャイン水族館で開催!

会場入ってすぐに最初の展示は大きな水槽の中にいる「チンアナゴ」。写真のようにパネルで、その興味深い生態の紹介がされている

「チンアナゴ」はカップルの親密度に応じて巣穴の距離が近づく。その後、カップル同士で放精、放卵を行なう
子どもにはちょっと刺激的
説明に困るものも
正直に言うと、体位の名称が書いてあったり、なかなか刺激的。「性」のことがまだよくわからない子どもだったら、このお魚はおちんちんが2つあるね、などと楽しみつつ、説明しずらいものは適当にごまかすことができそうですが、保健体育で多少勉強をはじめた小学校高学年くらいになると、ちょっと恥ずかしいし、具体的な質問をされても答えに窮する。

クラゲもピンク色に!
なんでも話せる親子関係は理想的なのかもしれないけれど、小中学校の子どもと体位の話までしたいとは思わない。動物園でもたまに交尾中の動物を見かけたりするが、この展覧会はある種、そのオンパレード。そこをうまくクリアできる親子なら、一緒に楽しめそうだ。
しかし、生殖行為は種を存続するためには大切で、なくてはならないもの。水族館で働いている方は、その行為を見かけると「赤ちゃんが生まれるかも」と嬉しくなるそうだ。
なお、もちろんタイミングよくその行為の最中を見られるわけではない。パネルや動画などでの説明と、その生物の展示となる。

生き物の「性」を伝えるパネルは、人気ライターによるコメント、人気イラストレーターによるイラストで「性いっぱい」紹介!
性転換に雌雄同体、イクメン
生き物の不思議さがいっぱい!
しかし、コンセプトが「生き物たちの性の多様性」というだけあって、その「性」は本当にさまざま。生殖活動や育児の仕方はもちろん、性転換や雌雄同体、オスの出産など、不思議がいっぱい。種をつなげるために、いろいろな工夫や戦略で、体のつくりやさまざまな行為の形があるのは本当におもしろい。生物部に所属する中学生なら、親よりも友だちとの方が楽しめるだろう。
最近はテレビでも魚なら卵に雄が射精するとか、多少遅い時間帯の番組だが交尾前の亀の生殖器を映したりしている。思っているほど、子どもたちは抵抗や恥ずかしさはないのだろうか? お子さんと行った方、ぜひ感想教えてください!
【イベント概要】夜のサンシャイン水族館「性いっぱい展」 2019年9月27日(金)~11月4日(月・振休)までサンシャイン水族館で開催!

「コブダイ」は生まれたときはみんなメス。群の中で体が一番大きくなったメスがオスへと性転換する。オスは成長にしたがって額のふくらみと顎の厚みが増す

タツノオトシゴの仲間は、メスがオスの育児嚢のなかに産卵し、そのなかで受精し卵が孵化する。そのためオスが出産しているように見える。「タイガーテールシーホース」も同様

「ウィーディーシードラゴン」はタツノオトシゴの仲間だが育児嚢がなく、メスはオスの排泄口の後ろのくぼみに卵塊を産み付ける

1日に20回も性別が入れ替わることもある「チョークバスレット」。オスからメスへ、メスからオスへ双方向の性転換をする

メスとして成熟し、体の大きなものがオスへ性転換する「キイロサンゴハゼ」。オスばかりで飼育すると、体の小さいものがメスへと性転換する

ベラの仲間の「マルチカラーラス」。ベラはすべてメスとして生まれ、体が大きくなった個体だけがオスへと性転換する。いつでも性転換できるよう、すべての個体がオスとメスの機能を備えている

頭にオスの機能、背中にメスの機能を持つ雌雄同体の「タツナミガイ」。複数の個体が連結して交尾をすることもある

体色が性別の変化とともに変わる「ハナヒゲウツボ」。幼魚は全体的に黒で背中が黄色、オスは全体的に青で背中は黄色、メスは全体的に黄色。ということは、写真は幼魚かな

オスがメスの胸ビレに噛みつき、動きを封じて2本のクラスパー(生殖器)を挿入する「トラフザメ」。激しすぎてメスが負傷することも

お腹の少し後ろにあるクラスパー(生殖器)。このサメは凍っていて触れます

さまざまな感覚で「性」が楽しめる「おさわりBOX」。視覚、聴覚に訴える「のぞきBOX」も

繁殖期になるとオスの全身や腹面の体色が変化する「婚姻色」。「オイカワ」もオスが鮮やかな色になり、縄張りを守るために争う

「バイカルアザラシ」のオスは、メスがその気になるまで全力で交尾を仕掛ける。メスはその気になるまで、全力で交尾を拒む
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