化石燃料から脱却!
次世代の持続可能なエネルギーは何?
2017年にドイツ博物館(ミュンヘン)で開催され、約68万人が来場した企画展「energie.wenden(エナギー・ヴェンデン/邦訳:エネルギー転換)」の巡回展、「どうする!?エネルギー大転換」展が2020年1月17日(金)から日本科学未来館で開催! 開催前日のプレス内覧会に行ってきました。
【イベント概要】「どうする!?エネルギー大転換」展 2020年1月17日(金)~3月29日(日)日本科学未来館で開催!
展示会場は日本科学未来館に入ってすぐとなる1階のコミュニケーションロビー。誰もがすぐに気がつくオープンスペースで、エネルギーにまつわるシンプルな選択問題に答えていくだけで、化石燃料からのエネルギー転換方法について、自分がどのような価値観を持っているかを6つのタイプの中から診断することができます。環境問題に少しでも関心のある方なら、“ちょっとやってみようかな” と思わせてくれます。
選択問題は10個あり、4つ以上に答えれば診断が可能。答える質問や順番も自由。時間をかけずに気軽に楽しむことも、自分とは異なる考えを持つ人の意見を聞いたり、日本のエネルギー事情を紹介するパネル展示を読んだりして、じっくりと楽しむこともできるようになっています。
“エネルギーの選択は、未来の選択”
子どもたちと一緒に考えてほしい
内覧会で同展の概要を説明してくれたドイツ博物館のウォルフガング・M・ヘッケル館長が「エネルギーの将来について真剣に考えるとき。同展を通してエネルギー転換について考えてもらうきっかけを提供したい」と語っていたように、地球温暖化の大きな原因のひとつとされる化石燃料からの脱却は、かなり喫緊の課題となっています。
2030年までに世界の気温が産業革命前の水準より1.5度上昇してしまうかどうかで、その後の人類の運命が大きく変わってしまいますが、それには2030年までに、CO2(二酸化炭素)の排出量を2010年の時と比べて約45%削減する必要があります。個人で取り組む節電などの温暖化対策ももちろん重要ですが、約45%の削減には、“企業や国をあげて” 同展のタイトルにもなっている、“エネルギー大転換” が必要不可欠です。
同展を体験すると、答えはひとつではないことを改めて実感します。立場が異なれば価値観も異なり、ひとつに絞り込むことは難しい。来場者の回答は集計されて立体グラフに表示されるため、自分の選択を他の人たちの選択と比較することができたり、大多数の考えを知ることができますが、果たしてそれが正解なのかはわかりません。しかし、進むべき方向は早く決める必要があります。
残念ながら、温暖化の問題は子どもたちが引き継ぐことが確実になっています。10年、20年後、この社会で活躍しリードする子どもたちと一緒に、今からエネルギーの転換をどのように進めていくかを考えるには、とてもいい展覧会です。そして、少しでも良い状態で子どもたちにバトンタッチしたいものです。2030年までは、今の大人たちが絶対になんとかしなければならない問題です。
「どうする!?エネルギー大転換」展は、2020年3月29日(日)まで日本科学未来館で開催!
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2020年1月17日(金)追記
米マイクロソフトが16日(木)、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質マイナスにする「カーボンネガティブ」を達成すると発表しました。「企業活動に伴うCO2排出量を半分以下にするほか、CO2排出を抑える技術への投資も増やす。マイクロソフトほどの大企業による「実質マイナス」の宣言は初めてとみられ、日本も含めた多くの企業に影響を与えそうだ。」とのことです。このような動きを日本で、世界で、広めたいですね。
出典:Microsoft、CO2排出「実質マイナス」へ 30年までに (日経新聞 2020/1/17 5:32)
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