2020年2⽉15⽇(⼟)・16⽇(⽇)劇団ファマリーが東京建物 Brillia HALLに登場!
True Colors MUSICAL ファマリー「ホンク!〜みにくいアヒルの⼦〜」が上演!
変わったのは容姿だけ?
“本当の生まれ変わり” とは?
主役は歩行器を利用した脳性麻痺の俳優、お母さん役は車イスで舞台にあがる。役の上での演出ではない。さまざまな種類の障がいのある俳優たちが舞台に立ち、アンデルセンの名作童話『みにくいアヒルの子』をもとにしたミュージカル「ホンク!〜みにくいアヒルの子〜」を観せてくれました。
演じたのはアメリカの障がい者による劇団ファマリー(Phamaly)。作品や芸術表現をより高める一翼として障がいを使い、それによって障がいのある人々に対する社会の認識を変えてきた。
童話『みにくいアヒルの子』は、家族の中で1人だけ異なる見た目による差別の話。最後は美しい容姿(白鳥)になり、今までバカにしてきた人たちを見返して終わることになる。
しかし劇団ファマリーの舞台では、変化したのは容姿だけではなく、アヒルの子の認識も変わり、世界を異なる視点から見ることができるようになったのでは、という新しい解釈を加えている。“認識が変わること” こそ、 “本当の生まれ変わり” ではないかと。そして劇団ファマリーの、さまざまな個性を持つ俳優が演技をしている舞台からは、それをより実感できる。
【イベント概要】True Colors MUSICAL ファマリー「ホンク!〜みにくいアヒルの⼦〜」
鹿子澤拳さん、東野寛子さん
2人の日本人アーティストも参加!
日本での上演ということで、ミュージカル俳優の東野寛子さん、ダンサーの鹿子澤拳さんも参加。鹿子澤拳さんはアヒルの子をそそのかすネコの役として舞台に出ずっぱり。東野寛子さんはアヒルの子の中の1羽、そして主人公みにくいアヒルの子アグリーと出会うヒロインの白鳥ペニーを一人二役で魅せてくれました。
さらに聴覚障害のある鹿子澤さんは盲目の歌手サマンサ・バラッソさんとペアを組み、サマンサさんは鹿子澤さんに踊り出しのタイミングを合図し、鹿子澤さんはサマンサさんを立ち位置に連れて行くなど、苦手な部分をさりげなく補うとともに、それがとてもよい相乗効果をもたらし、とても魅力ある、ファマリーだからこそのネコになっていた。鹿子澤さんのコミカルな動き、サマンサさんの歌も素晴らしく、とても見応えがあった。
誰もが居心地のよい会場づくり
さまざまな鑑賞サポート
劇場も多様な背景や個性の方が楽しめるよう、タブレットによる日本語・英語字幕、音声ガイド(日本語吹替/日本語吹替+状況説明)、筆談ボード、点字チラシ、拡大パンフレット、車イス観劇スペース、補助犬利用での観劇などに対応。実際、会場内には車イスの方、お子さん連れの方など、さまざまな方が来場していました。
英語劇だったため、小さいお子さんが観るにはもうひと工夫必要だと思いましたが、誰もが舞台に上がれる、誰もが舞台を観られる、そういうチャンスがある、環境がある、ということを知るには、とてもよい機会でした。日本でもこのような舞台が増え、誰もが気軽に観られるようになるといいし、そうしていかなければいけないなと感じました。
日本財団が日本で初めて開催する
“超ダイバーシティ芸術祭”
日本財団では2019年夏〜2020年夏の1年間にわたり、障がい・性・世代・言語・国籍などのあらゆる多様性があふれ、みんなが支え合う社会をめざす「True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭-」を展開、観て・学んで・参加できる多彩なプロジェクトを開催中です。今回の劇団ファマリーによる「ホンク!〜みにくいアヒルの子〜」もその一環。今後も展覧会やワークショップ、トークショーなど、さまざまなイベントの開催が予定されています。
True Colors Festival – 超ダイバーシティ芸術祭-
https://truecolors2020.jp
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