第一弾は「ASDへの理解ギャップ」編
ASDとグレーゾーンの子は約13人に1人
株式会社博報堂の次世代育児アイテムPechat開発チームと博報堂こそだて家族研究所は、学習塾や障害児支援事業を行なう株式会社LITALICOと共同で、ASD※(Autism Spectrum Disorder=自閉症スペクトラム)の診断や傾向のある子どもを育てる家庭の実態や周囲の支援のあり方を把握するため、「ASDと子育て実態調査」を実施、第一弾の調査結果が発表されました。
※ASD(Autism Spectrum Disorder=自閉症スペクトラム)
「スペクトラム」と言われる通り、虹の帯のように境目なく連続し、症状や特性は一人ひとり多様です。また、生活における困難さは個人の特性と周囲の人的・物的環境との相互作用によっておこるため「どこからどこまでが障害」と機械的に線引きできるものではありません。最近ではニューロダイバーシティ(neurodiversity:自閉症スペクトラムなどの発達障害の特性は障害ではなく「ヒトの脳の神経伝達経路の多様性」とする考え方)も広がっています。
ASDとグレーゾーンの子は約13人に1人
第二弾はASDの子が持つ特性の “強み”
第一弾の調査結果は「ASD理解ギャップ編」と題し、ASDの診断や傾向のある子どもを持つ保護者と、典型発達※の子を持つ保護者のASDに対する認知・理解の実態とそのギャップについてが報告されました。
※典型発達:自閉症スペクトラムや、その他の発達障害の疑い圏にいない子
また第一弾の調査結果にともない、三者共同でASDの実態や子育てのヒントを研究・発表するWEBサイト「教えてはったつ博士」も公開されました。
教えてはったつ博士
https://h-hakase.jp
第二弾リリースは4月上旬の発表予定。次回は「ふかい!すごい!『好き』のパワー」と題し、ASDの子が持つ特性の強みについてレポートします。
【例】
Q. 子どもの発達特性を強みに思うことがありますか?
⇒「ある」と回答したASDの子を持つ保護者:60.9%
【第一弾調査結果のポイント】
・0〜22歳までの子の中で「ASDと診断された子」は2.3%(推計60万人)、「グレーゾーンの子※」は5.4%(推計138万人)。合計すると、約13人に1人という割合に。
※グレーゾーンの子:医療機関での診断はないが、ASDの疑いがあると保護者が感じている子。
・ASDと診断された際の年齢は2~3歳が特に多く、全体の約4割を占める。
・気づいたきっかけとして多いのは「発語の遅さ」や「医師・専門家の指摘」「パニックを起こす」など。
・ASDの名称認知は、「典型発達の子」の保護者でも約8割と高水準だが、詳細理解度では約6%と低い。
・「ASDと診断された子」の保護者の約半数は「世の中から正しく理解されていない」と感じている。
・ASDについて「知る・学ぶ機会がほしい」と答えた人は、「グレーゾーンの子」を持つ保護者が32.7%と比較的高め。
・ASDの特性に対する理解内容のギャップを分析すると、医学的な知識のほか、周囲の対応方法に関する知識を広めることの重要性がうかがえる。
調査結果、ASDの実態や子育てのヒントに関するWEBサイト
教えてはったつ博士
https://h-hakase.jp
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