慌ただしい世の中で友だちと遊べなくなってしまったり、行きたい場所にいけなくなってしまったり、日々流れるニュースに不安になったりしている人も多いことでしょう。
つまらないと感じる人もいるかもしれません。
しかし、今家の中にいることは多くの人を救うことにつながります。
寂しいと感じる人もいるかもしれません。
しかし、本や漫画の中でならさまざまなキャラクターと出会い、いろんな場所に行くことができます。
今回紹介する作品は、人間以外の魅力的なキャラクターがたくさん登場するものを選びました。この世界は多くの人々、生き物、もしかしたらそれ以外の不思議な存在も溢れているかもしれません。だから家の中にいても決して孤独ではないのです。
(2020年4月29日[水]公開)
アメリカの博物学者シートンが書いた物語です。人間に屈しない気高い狼を描いた『オオカミ王ロボ』や、美しい野良猫を描いた『下町のネコ キティ』、人間の身勝手な娯楽の中で強く生き抜く兎を描いた『小型軍馬というウサギ』など、さまざまな動物の生涯を生き生きと描き上げた動物物語の傑作です。
私たち人間の世界は地球の中のほんの一部であることを実感するとともに、動物たちも同じように懸命に生きていることに思いを馳せることができます。
メルヘンの国を舞台に宇宙の子であるコジコジと、その仲間たちの日常生活を描いたさくらももこさんによる漫画作品です。シュールで不思議な世界観の中に時折光る哲学的とも言えるようなメッセージが魅力的。
コジコジは「おまえは将来何になりたいんだ」と問われれば、「コジコジだよ。コジコジは生まれたときからずーっと将来もコジコジはコジコジだよ」と答えます。飛べなくて悩んでいる友人には、「飛べないときはゆっくり休めばいいじゃん。仕方ないよ、飛べないんだからさ」「どうせ飛べないんなら心配するより休んだほうがいいよ」とアドバイスするコジコジの緩やかな優しさが、疲れ気味の心に染み入ります。
篠原かをり
慶應義塾大学大学院生。作家として、これまでに『恋する昆虫図鑑~ムシとヒトの恋愛戦略~』(文藝春秋)、『LIFE―人間が知らない生き方』(文響社)、『サバイブ<SURVIVE>-強くなければ、生き残れない』(ダイヤモンド社)、『フムフム、がってん!いきものビックリ仰天クイズ』(文藝春秋)を出版し、いずれも好評を得ている。
幼少の頃より生き物をこよなく愛し、自宅でさまざまな生き物を飼育。生き物に関するありとあらゆる知識を持ち、独特の切り口や表現が話題に。
TBS「日立 世界ふしぎ発見!」「有吉ジャポン」の他、ラジオや連載コラムなど、現在活動の幅を広げている。
【インタビュー】子どもたちに大人気! 書籍『フムフム、がってん! いきものビックリ仰天クイズ』著者・篠原かをりさん
新刊 2020年4月24日発売!
ネズミのおしえ ネズミを学ぶと人間がわかる!
徳間書店
ドブネズミと暮らすミステリーハンターによるネズミ大好き偏愛エッセイ。
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