大人気アニメ「パウ・パトロール」が映画化!
安倍さん演じるリバティはテンション高すぎで倒れる!?
ー 洋画の吹替は初挑戦ですね。声優としてお話があったときはどんな気持ちでしたか?
テレビシリーズの「パウ・パトロール」を子どもたちと一緒に観ていたので、こんな喜ばしいお話があるのかなって、本当に驚きました。子どもたちも喜んでくれると思いましたし、子育てをしながらこのようなお仕事ができるかは家族に相談して、でも心配よりも楽しみの方が勝っていて、ぜひやらせていただきたいなと思いました。
ー「パウ・パトロール」の魅力はどんなところですか?
かわいい子犬たちがみんなで協力してトラブルを解決し、そこから絆や笑いが生まれたりするところですね。そして仲間の大切さ、あきらめない気持ちを、大人も改めて学べるところです。まっすぐに直球で気持ちを伝えてくるので、素直にジーンとなって感動します。
ー そんな「パウ・パトロール」の劇場版です。印象的なシーンはありましたか?
私は序盤からやられてしまったというか、映像とサウンドのすごさに「これが『パウ・パトロール』?」みたいな。私が今まで観ていた「パウ・パトロール」と全然違う! 別物のようなクオリティになっていて、びっくりしました。
カーチェイスは迫力がありますし、私が声を演じたダックスフンドの “リバティ” がどうなるかも見どころです!
ー アフレコ収録はいかがでしたか?
リバティはエネルギッシュでパワフルな女の子なんですけど、監督からは私が思っていた以上のテンションの高さを求められて(笑)。こんな感じかなとやっても「まだ足りない」、これでもかって演じても「まだ足りない、まだ」と言われて、「え〜、ダメだ自分は… 悔しい…」と思いながら何度もチャレンジして、倒れるかと思うほどでした。
ー リバティは「ありよりのあり」「なしよりのなし」「はなまる満点」など、セリフも特徴的でおもしろいですよね。
そのセリフはあとから追加されたものなんです。英語版にもありません。でもこのセリフのおかげでリバティのキャラクターがより立ったと感じました。それに印象に残る言葉なので、子どもたちが真似してくれるかなって。でもセリフとしては滑舌も必要で、もう口の中が本当に忙しくて(笑)、テンションも求められるし大変でした。
【映画紹介・予告動画】2021年8月20日(金)全国ロードショー!映画『パウ・パトロール ザ・ムービー』
無我夢中になるのはリバティと一緒
今は子育てに一生懸命
ー リバティはとてもポジティブで行動派です。安倍さんはいかがですか?
こうと決めたことに対して張り切ってしまうのは似ているかな(笑)。とことんやりたい性格で、今は子どもたちのことにがんばっちゃう。一生懸命というか無我夢中になってしまうんです。
ちょっと前にホタルを見に行こうということになって、場所や天気を調べたり、行くための準備も、わりと心配性なので荷物が多くなってしまって、これ何泊するんだろう、みたいな。でも雨が降ったら、暑くなったら、転んだら、下の子はまだオムツだからとか考えると多くなってしまうんです。
ー ホタルは見られましたか?
見られました! 子どもはホタルをつかまえて見られると思っていたようで、思っていたことと違ったみたいですが、「あー!」って言いながら揺れ動く光を見て「ホタル見たね、ママ」と感動していました。ホタルがきれいな水辺にいる虫で、仲間とコミュニケーションするためにお尻を光らせてと、事前に少しホタルの生態についても勉強しました。
子どもたちには自然の中で体験を通していろいろなことを学んだり、考えたり、工夫して遊ぶということがすごく大事だなと感じていて、そういう経験をしてもらいたいと思っています。
ー 以前、子どもたちと八丈島に行ったことがあるのですが、ホタルがとてもきれいでした。羽田から飛行機で1時間くらいなので、おすすめです。
そうなんですね。今はそういうところを、友人と情報をシェアしたりして探しています。子どもたちはどんどん大きくなっていくので、それまでにいろいろな経験をさせてあげたいですね。
ー 先日、アルピニストの野口健さんにインタビューをさせていただいたんですが、家族でキャンプに行くのは子どもにとってもとてもいいとおっしゃっていました。
2020年くらいからちょこちょこキャンプに行きはじめたところに、今年、主人が「キャンピングカーアワード」というのを受賞してキャンプをする機会が増え、子どもたちもキャンプに興味を持ったので、調べていいところを見つけると行っています。
大丈夫そうに見えるけど、実は常に自信がない
呪いをかけるように自らに「大丈夫」と言いきかせる
ー 映画の「怖がったっていいじゃない。ヒーローだって怖がるよ」というセリフには心を打たれます。安倍さんも勇気を出してやってよかったこと、思い切った決断など印象的なものがあれば教えてください。
仕事に関してはそういう瞬間ってけっこうあって、音楽では新しいクラシカルクロスオーバーというジャンルに挑戦したときはすべてが初めての試みで、お披露目のときは舞台袖でガタガタガクガクに震えてステージへの一歩がなかなか出ませんでした。ミュージカルもそうですね。舞台直前なんてドキドキソワソワなんてもんじゃなくて震えているし、初日の前日は絵に描いたように寝られないし、いまだにそうです。
おまじないというか自分に呪いをかけるくらいの勢いで「大丈夫、大丈夫、私、できる」みたいな、手のひらに人という字を3回書いて飲み込むとか、もうできることはすべてやって(笑)。それで「えいっ!」って勇気を持って踏み出します。そんな感じでいつも挑んでます。
ー こちらから見ていると、舞台袖で震えているなんて想像できないほど堂々としています。
ダメなんです。あれこれ余計なことを考え過ぎちゃうし、自己肯定感が低いのかもしれないですね。自分に自信がないし、がんばってがんばってそこに持っていくみたいな感じですね。
ー でも、いろいろなことにチャレンジされますよね。
エンターテインメントって人の心を動かすお仕事じゃないですか。そういうのは自分でやるのも、観たり触れたりするのも大好きなんです。でもいざ自分がやるとなると「見てください!」という感じにはできなくて。もうドキドキです。のってくれば集中できるんですが、そこに至るまでは、なかなか大変な、不器用なタイプなんです。
ー でも不器用だからこそ、いつまでも慣れずにできるというか…
でも慣れてくると飽きるのも早いんです(笑)。正直、ツアーとか、舞台で50何公演とかって言われると「う〜ん」って。
以前、宮本亜門さんとやらせていただいた「トゥーランドット」という舞台でも、最後まで走りきりましたけど、「まだまだあるのか」って思いましたし。だから新しい刺激がないと新鮮な気持ちで舞台に立てないので、何か楽しめることを見つけるとか、そういうふうに自分を仕向けるために時間を使っていましたね。普段はつけない香水を今回の役はつけてみようとか。私にとっては50回目の舞台でも、お客さんは初めてですから、お客さんに失礼にならないように、新鮮さを持って挑む工夫をしていました。常に新しいフレッシュな気持ちで舞台に立って表現したいと思っていましたから。
弱み、悩みを言えればよかった
共演者の苦労の歴史を聞いて勇気をもらう
ー「パウ・パトロール」のリーダーのチェイスは、昔を思い出して自信をなくしてしまいます。安倍さんが自信をなくしたときは、どのようにして自信を取り戻しましたか?
わりと自力で克服してきたタイプなんです。先ほどの自分に呪いをかけるというのもそうですが、「大丈夫、大丈夫」って自分に言い聞かせて、そうやってずっとやってきました。
でも落ち込むときはとことん落ちて、ひとりでずっと暗い音楽を聞いていたり。だけど、どう克服してきたかな? たとえば舞台などでは、共演者のみなさんのルーツを聞いたり、どうやって生きてきたかというお話を聞いたりすると、誰もが平坦な道を歩まれてきたわけじゃなくて、家庭環境を含めて苦労されている方もたくさんいらっしゃって。大先輩の全然知られていない苦労の歴史などを知ると、自然と自分もがんばれるようになってきます。そういうときに元気をもらえたりするので、人と話したり接したりコミュニケーションをとる中で、私は前に進めるようになってきたのかなと思います。
これまでの仕事においては、ちょっと寂しい考えでしたが、自分の悩みを同じようにわかる人はいないと思っていたので、あんまり弱音を吐いたり、悩みを話したりはせず自分でなんとか解決してきちゃったんですが、もっとシェアしたり、言えればよかったって、今は思いますね。
「やりたい」と言うことはやらせてあげる
ちょっとしたお手伝いからでも絆は生まれる
ー グループ内や人と仲良くなるには、ひとつのことを一緒にやると絆が生まれるとおっしゃっていたことがありましたが、ご家庭ではキャンプがそれにあたりますか?
キャンプでは小さい子どもたちもお手伝いができますよね。焚き火に使う枝を一緒に探したり、それを火にくべたり、ちょっとしたお手伝いからも絆は生まれるのかなと思っています。
普段の生活でも、先日おやつに白玉をつくろうということになって、お水は使わないで白玉粉とお豆腐をコネコネしてつくるんですが、野菜パウダーで色をつけたり、いろいろな形にしてみたり。それをお湯に入れて茹でて、できあがったらすくい上げるのがスーパーボールすくいみたいですごく楽しかったみたいです。すくった白玉は冷やして、タレもきな粉とかでつくって、いろいろな形があるから「これがおいしい」とか「あれがおいしい」とか、「自分でつくるとおいしいね」って言いながらみんなで食べました。
できそうなことは、なんでも子どもたちにやらせます。スナップエンドウの筋とりとか、ゆで卵の殻むきとか、そら豆は「ふかふかのお布団の中に眠ってるね」みたいな話をしながら「一回やってごらん」って。餃子はよくつくりますね。
ー 安倍さんが子育てで大切にしていることは、何でもやらせてみることですか?
本当に危ないこと以外は、「やりたい」って言ったことはやらせていますね。お野菜もおもちゃじゃないものを切ってみたいんですよね。だから手を添えて2歳の子も一緒にニンジンを切ったり。この間もポテトサラダのきゅうりとハムだけ一緒に切って、マヨネーズを入れて混ぜてもらいました。ただ入れる、混ぜるという工程だけでも楽しいんですよね。で、ちょっとしかやってなくても自分がつくったってことになって、もりもり食べますし、好き嫌いもなくなります。
家族とのコミュニケーションにつながる
子どもはもちろん大人も楽しめる家族の映画
ー 安倍さんが声を務めたリバティの魅力は?
リバティはとてもポジティブでリーダーシップもあります。後ろ向きの発言をしないし、前しか向いていません。こうと決めたらとことん突き進むし、みんなをぐいぐい引っ張るし、でも優しいし正義感もあって勇敢で、ヒーローみたいですよね。全部魅力的です。
ー 最後に、ママ目線から『パウ・パトロール ザ・ムービー』の魅力を教えてください。
たくさんあるんですが、テレビシリーズの「パウ・パトロール」を知らなくても、はじめての人でも楽しめる映画です。映像も音楽もクオリティはとても高いですし、なによりストーリーが素晴らしくて、子どもたちはもちろん、大人も楽しめるのがポイントです。だから子ども映画ではなくて大人も一緒に楽しめる家族の映画だと思っています。大きな映画館のスクリーンで観ていただいて、観終わったあとは、あのシーンはこうだったね、なんて話をしながら、家族との会話が増えたらいいなと思っています。
「パウ・パトロール」の劇場版最新作『パウ・パトロール ザ・ムービー』は、2021年8月20日(金)全国公開!
安倍なつみ(あべ なつみ)
歌手・女優・タレント。1998年「モーニング娘。」としてデビュー。2003年にソロ活動を開始し、2004年に6年間活動を続けてきた「モーニング娘。」を卒業。卒業後は定期的なソロコンサートを行うとともに、2008年に宮本亜門演出の祝祭音楽劇「トゥーランドット」に出演、舞台の魅力に魅了され、2009年音楽劇「三文オペラ」、2010年はオフ・ブロードウェイ・ミュージカル「リトルショップ・オブ・ホラーズ」、2011年は『ドラキュラ」と次々と話題作に出演し活躍の幅を広げる。また同年「モーニング娘。」OGで結成した新ユニット「ドリームモーニング娘。」のメンバーとして7年ぶりにグループ活動に参加し、全国ツアーと武道館公演を行う。2015年12月にミュージカル俳優の山崎育三郎と結婚。2018年、日本ベストマザーズ協会より「第11回ベストマザー賞2018<音楽部門>」を受賞。現在は2才と4才の男の子の子育て中。「ジュニア野菜ソムリエ」「ジュニア食育マイスター」の資格を持ち、“食” への造詣も深い。
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