企画展「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」が2022年2月27日(日)まですみだ北斎美術館で開催!
神話の登場人物から戦国武将まで
葛飾北斎が描いた歴史上の “あの人物” を堪能!
すみだ北斎美術館で2021年12月21日(火)からはじまった企画展「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」に行って来ました!
【イベント紹介】2022年2月27日(日)まで開催! 企画展「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」
【関連情報】「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」に行ってきた!
企画展「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」は、葛飾北斎(とその弟子など)が、神話の時代から古墳・飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、安土・桃山時代、そして北斎の生きた江戸時代までの歴史上の人物や事件を描いた作品を集めた展覧会。
会場内は神話の時代、古墳・飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、安土・桃山時代、江戸時代、そして明治時代にわかれて、その時代の作品を展示
神話の時代では『古事記』や『日本書紀』に登場するイザナギノミコト、イザナミノミコトにはじまり、こちらの写真は葛飾北斎の描いた「天岩戸神話」として知られる、天岩戸にこもった天照大神を誘い出す場面
主に高等学校の日本史の授業で取り上げられる人物や事件を軸としているため小学生には難しいかもしれないが、歴史が好きなら織田信長や豊臣秀吉、武田信玄に上杉謙信などの歴史上の人物をはじめ、源平合戦や本能寺の変、忠臣蔵などの歴史的名場面を北斎が描いた作品で楽しむことができます。
葛飾北斎の描いた源平合戦の名場面「扇の的」。絵の右上には「紙中に限りがあるので、兵船は遥か遠くの矢先に描いたものと思ってほしい」と書いてある
企画展が難しくても、こっちは楽しめそう。すみだ北斎美術館の前は大きな公園で楽しそうな遊具もあって、たくさんの子どもたちが遊んでいました。スカイツリーもよく見えました(写真とは反対側)
常設展で世界的な画家・葛飾北斎を知る
手にとって読める「北斎漫画」も!
葛飾北斎はゴッホやモネをはじめ、世界中のたくさんの画家に影響を与え、アメリカの有名なフォトジャーナル誌『LIFEライフ』が発表した『ザ ライフ ミレニアム』で、「この1000年でもっとも重要な功績を残した世界の人物100人」に、日本人でただひとり選えらばれました。
常設展ではそんな北斎のアトリエを再現した模型や、浮世絵(錦絵)ができるまでの版画の制作過程の展示、もちろん北斎の代表作となる富士山を描いた「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」も見ることができます。
さらに弟子のための絵の教本『北斎漫画』(レプリカ)を手にとって見ることができます。
企画展「北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―」は2022年2月27日(日)まで、すみだ北斎美術館で開催!
会場入口には「なにかしら学べるワークシート」が置いてあります。初級と上級があるので、誰でも楽しめそう
平安時代のところに展示されている森高雅の「紫式部」。紫式部は光源氏を主人公とする長編小説『源氏物語』を著した。作者の森高雅は、葛飾北斎の門人である牧墨僊に絵を学んだ。特に美人画は評価が高い
源平合戦の名場面を葛飾北斎の門人・二代柳川重信が描いている。この壇ノ浦の戦いで平氏は源義経に敗れ、安徳天皇は入水、平氏は滅亡した
小枝繁による読本『松王物語』に描かれた葛飾北斎の平清盛
近くでじっくりと絵を見られることができるのが嬉しい
安土・桃山時代のところには有名な戦国武将がたくさん登場する。こちらは川中島の戦いの名場面として伝わる、上杉謙信と武田信玄の一騎打ち。馬に乗って刀で切りつけているのは上杉謙信、それを軍配で受ける武田信玄
織田信長が明智光秀を叱りつけている場面。光秀はこれに遺恨を残し、本能寺の変への要因となったと言われている。教科書でよく見る信長の顔とはちょっと違いますね
本能寺に攻め込んだ明智陣営。見えづらいが右上の方に信長が、手前中央には信長の小姓でともに討死した森蘭丸、森坊丸兄弟が奮戦する様子が大きく描かれている
右側の人物は豊臣秀吉、左側は加藤清正
江戸時代のところには、大石内蔵助率いる赤穂浪士が吉良邸に討ち入り、浅野内匠頭の墓前に吉良の首を捧げている北斎の絵などが展示
常設展も見ることができるので、ぜひ足を運んでほしい
入口の反対側には126×276cmという北斎晩年(1845年、86歳)の最大級の作品「須佐之男命厄神退治之図」の推定復元図が飾られている。須佐之男命が疫神を退治し、今後病や凶事を起こさないよう証文をとっている。実物は関東大震災(1923年)で焼失
たくさんの色を使った浮世絵(錦絵)の制作過程を紹介
北斎の代表作となる富士山を描いた「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」「赤富士」も展示
北斎84歳の頃に住んでいたアトリエを再現。北斎の門人の露木為一が絵に残していた