2022年9月7日(水)まで寺田倉庫で開催している「鈴木敏夫とジブリ展」東京展。映画「千と千尋の神隠し」の世界観を再現した巨大空間「油屋別館」は、東京展だけの限定企画。子どもたちが楽しめるコンテンツがたくさん!
まったく新しい切り口のスタジオジブリの展覧会
スタジオジブリの作品づくりの秘密に迫る!
2019年に東京・神田明神で開催し好評を博した「鈴木敏夫とジブリ展」が、長崎、京都での巡回を経て、3年ぶりに内容をバージョンアップして東京・寺田倉庫 B&C HALL/E HALLで開催! 開催前日(2022年6月30日[木])に行われた内覧会に行ってきました!
【イベント紹介】「鈴木敏夫とジブリ展」2022年9月7日(水)まで東京・寺田倉庫 B&C HALL/E HALL で開催!
「鈴木敏夫とジブリ展」東京展は、高畑勲・宮﨑駿両監督とともに数々の名作を世に送り出してきたスタジオジブリのプロデューサー 鈴木敏夫氏が愛読してきた8,800冊の書籍の展示からその思考過程に迫り、どのようにスタジオジブリの作品づくりへとつなげていったのかを探求するというもの。
「アニメージュ」編集長時代の資料も豊富で、編集や映画制作・宣伝に興味がある方には、とても参考になりそう。個人的にはとても勉強になり、もう一度、ゆっくり見たいほどです。
今回の展覧会について、「大事なものは捨てられない性格で、これまでとっておいたものを、このような形でみなさんに披露するのは恥ずかしいですが、展示をやっていただけて良かったなと思っています。みなさんに見ていただけるとありがたいです」と、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー
内覧会では開会セレモニーが行われ、鈴木敏夫プロデューサーとカオナシのほか、主催の日本テレビ放送網株式会社の杉山美邦 代表取締役会長執行役員(写真左)と、特別協賛であるKDDI株式会社の竹澤浩 執行役員常務(写真右)も登場
前半部分は鈴木敏夫氏やプロデューサーとしての思考法に関する資料や展示で、鈴木氏がどのような本を読んできたのかがよくわかります。幼少期は漫画をよく読んでいたそうで、中でも手塚治虫先生の漫画はたくさん所蔵していました。父親から幼稚園のときに買い与えられた少年漫画月刊誌が「今の僕の仕事に、もしかしたら結びついたのかもしれない」と鈴木敏夫プロデューサー。
後半の映画「千と千尋の神隠し」の世界観を再現した巨大空間「油屋別館」は、「冷やし足湯」や「湯婆婆と銭婆の “開運・恋愛” おみくじ」「カオナシなりきりAR」、お土産やフォトスポットなど、子どもたちが楽しめるコンテンツもたくさんありました!
「鈴木敏夫とジブリ展」は、2022年9月7日(水)まで東京・寺田倉庫 B&C HALL/E HALL で開催!
記者からのさまざまな質問に答えてくれた鈴木敏夫プロデューサー。仕事が忙しくて一緒に遊ぶことができないお父さんは少年漫画月刊誌を買ってくれて、次号発売まで「記憶に刻み込むくらい繰り返し繰り返し読んだ」そう。四畳半の部屋も提供してくれて、その部屋にたくさんの漫画本がたまり、そこで漫画を読むのが好きだったという。「幼少期に少年漫画月刊誌を買ってくれたこと、四畳半の部屋で好きなだけ漫画を読んでいたこと、これが今の僕の仕事に、もしかしたら結びついたのかもしれない」
そんな鈴木敏夫プロデューサーの幼少期の四畳半の部屋を再現したのがこれ。子どもにとっては憧れの部屋だ。いつの間にか友だちも来て漫画を読んでいたり、友だちも漫画を持ってきたりしたそうで、当時の楽しかった様子が目に浮かぶ
「大事なものは捨てられない性格」とはいえ、今なおこれらの漫画を所有しているのはすごい!
初めて読んだ漫画から熱中した漫画を展示。今なお読み継がれている名作もある
『アニメージュ』編集長時代の紹介。鈴木敏夫プロデューサーが当時やったことは今なお続けられていたり、時代を先どりしていたことがわかる
幼い頃、「漫画に付いている付録が好きだった」という鈴木敏夫プロデューサーは、それを『アニメージュ』にも取り入れた
高畑勲監督、宮崎駿監督との出会い。最初は取材を断られたり、無理難題を言われたり、「変わった人たちだなぁ」という印象だったそう
ないならつくってしまおう、ということで原作となる漫画を描いたのが『風の谷のナウシカ』のはじまり。「描いちゃおう」って、描けちゃうのがすごい
『風の谷のナウシカ』制作当時の写真。当時のコメントも読むことができます
『風の谷のナウシカ』で映画制作のおもしろさを知った鈴木敏夫プロデューサーは、徳間書店の子会社として「スタジオジブリ」を立ち上げ、『天空の城ラピュタ』の制作に入る
2階へ向かう階段は、まるでトトロの森の抜け道を通るかのよう。子どもたちも喜びそうだ
『となりのトトロ』『火垂るの墓』が同時上映になった理由なども説明。宮崎駿監督は『となりのトトロ』の元になるイメージボードを1970年代にすでに描いていたそう
チラシやポスターのデザインラフも多数展示。アイデアやラフがどのように完成に向かうかもよくわかる
トトロと一緒に写真が撮れるフォトスポットも!
映画制作の企画立案から初号試写までのいくつもの工程を紹介。実際に私たちが映画館で観られるようになるには、さらにクリアすべきさまざまな問題、工程がある
「僕はこうやって映画を売ってきた。」という鈴木敏夫プロデューサーの宣伝手法を紹介。「タイトル、コピー、ビジュアルの “三位一体” で考える」など、学ぶ要素がたくさん!
鈴木敏夫プロデューサーが展覧会のために書き下ろした湯婆婆。そしてここから先は「鈴木敏夫を作った8,800冊の本棚」
読書にふけるカオナシがお迎えするのは、鈴木敏夫プロデューサーが読んできた本の中から8,800冊を展示する圧巻の空間。スタジオジブリの作品づくりにつながる思考の過程に触れることができます。さらに展示されている本の一部は、実際に手に取って閲覧することができる
幼少期から今に至るまで手塚治虫先生の漫画を読んでいるという鈴木敏夫プロデューサー。しっかり手塚治虫漫画全集も展示されていました
本棚の部屋を抜けると、東京展限定の「油屋別館」。映画「千と千尋の神隠し」の世界観を再現した巨大空間。全体に赤い提灯が吊るされた空間は、怪しい雰囲気漂う異世界のよう
京都展で大人気だった「湯婆婆と銭婆の “開運・恋愛” おみくじコーナー」も登場!
おみくじは、お風呂屋さんの下駄箱を模した箱に入っています。引いて出た番号と同じ番号靴箱へ
八百万の神様と一緒に楽しむ、油屋別館の冷やし足湯「せんとうちひろ」。冷たいお水に足をひたしてひと涼みできます(利用には特典付きチケットの事前購入が必要です)
お土産コーナーも充実!
お土産コーナーの裏には、ひっそりのあのお店が。フォトスポットになっています
油屋別館に設置されたサイネージの前に立つと、画面上に「千と千尋の神隠し」のカオナシになった自分の姿が現れます。7月20日(水)からは「せんとうちひろAR」も登場予定! どちらもも無料で体験できます