何かに一生懸命になれば
その努力は夢を叶える糧になる
ー 柴田さんが女優を目指すきっかけは?
柴田杏花さん:ミュージカルや舞台をやりたくて、ミュージカルスクールに通っていました。でもそこにいる子たちはみんな、テレビや映画の仕事もしていて、それを見て、私もやってみたいなと思って、事務所に応募しました。
ー今回の映画では初の主演に抜擢されましたが、活躍するためにどんなことを心がけていますか?
柴田杏花さん:仕事以外のことで、何か一生懸命になることができれば、その努力はきっと仕事にもつながる、仕事でも発揮できると信じています。一番は努力をすることが大切だと思っています。私はけっこう、いろいろなことにチャレンジをしたい性格で、仕事に限らず何でも努力をして、前に進んでいくのが大切だと思っています。
ー 監督が映像の世界に入ったきっかけは?
大森研一監督:小さい頃から映画をよく観ていました。親に映画に連れて行ってもらったり、でも映画館はなかなか行けなかったのでビデオを借りてくれたりして。それが映画や映像に興味を持ったきっかけですね。『グーニーズ』もそんなときに観た1本です。漠然とですが、映画などをつくる側にまわって、観た人が笑顔になって映画館を出て行くというイメージがありました。そういうことを、多くの人に与えられるようになれればいいなと思っていました。
ー 監督になるために、子どものときにできることは何ですか?
大森研一監督:当時の僕はビデオテープがすり切れるくらい何度も映画を観ていたので、今だったらDVDが割れるくらい(笑)、映画を観るのがいいと思います。常に別の作品ではなく、好きな作品を繰り返し観てもいい。作品を観ることで養われるものがたくさんありますし、引き出しも増えると思います。物語をつくることを目指すのであれば、物語をつくる組み立て方も育まれます。まずは、たくさんの作品を観る、何度も観るといいと思います。
楓の、あきらめない姿
最後までやり通す心を感じ取ってほしい
ー 映画『瀬戸内海賊物語』の見どころ、注目してほしいところは?
大森研一監督:ここは柴田さんが一番うまく言えるかな(笑)。
柴田杏花さん:ひとつひとつを観てもらいたいというはもちろんあるんですけど、楓のあきらめない姿や、一度決めたら最後までやり通す心みたいなのを観て、感じとってもらえたらと思います。
大森研一監督:そうですね。あきらめない気持ちがあって、絵的なことを言えば、瀬戸内の独特の風景や、自然の中で遊んだり、外だからこそ味わえる感性みたいなものを観ていただけたらと思っています。特に瀬戸内特有の潮流にはこだわりました。どこの海で撮っても同じではなく、瀬戸内にしかない海、自然を観てください。幸運にも、撮影の1ヵ月間はほとんど雨が降らなくて、美しい瀬戸内の景色も楽しんでいただけると思います。
ー 柴田さんはじめ、子どもたちをとりまく共演者の方々が豪華なキャスティングです。共演者の方はどのような視点から選んだのでしょうか?
大森研一監督:子どもが主役ということもあるので、存在感は示しながらも、物語の中はもちろん、撮影の現場などでも、子どもたちを見守ってくれる、包み込んでくれる方々にお願いしました。実際子どもたちをすごく優しく包んでいただけて、お父さん役の内藤剛志さん、おばあちゃん役の中村玉緒さん、それぞれの方が家族として、撮影の時点から程よい距離感を保ち、とても撮影しやすい雰囲気をつくっていただけました。
ー 柴田さんは今回が初主演で、共演者の方々はベテラン揃いで、緊張はしましたか?
柴田杏花さん:たとえばお父さん役の内藤さんと一緒にお芝居をしていると、自然にスッとお芝居に入り込むことができました。
ー 監督というのは、自分の考えを人に伝え、理解してもらわなければならない仕事だと思います。書店などでも自分の考えを「上手に伝える」ということをキーワードにした書籍がたくさん出版されていますが、自分の考えを伝え、みんなの気持ちをひとつにするために心がけていることは?
大森研一監督:常に客観性を崩さないようにしています。撮影していても、その瞬間瞬間にいろいろな意見が出てきます。しかし、そもそもの全体像がいかに的確なのかを示し、理解していただき、その場の雰囲気に流されないように、ついてきてもらうように心がけています。
ー お二人のこれからの夢、目標は?
大森研一監督:『瀬戸内海賊物語』の“続編”! 『グーニーズ』も続編の製作が発表されたので(笑)。まぁ、それはうまくいけばですが、今回は現代劇だったので、歴史ものとしての村上水軍の話や、それこそ本屋大賞を受賞した「村上海賊の娘」の映画化とか、すでにいろいろお声はかかっているでしょうけど…。合戦があったり、そういう時代物の作品を撮りたいと思っています。
柴田杏花さん:ひとつの役にとらわれずに、いろいろな役をできる女優さんになりたいと思っています。
【#子どもたちへ】大森研一監督のおすすめを紹介! 子どもたちへのメッセージも! 新型コロナウィルス感染症による臨時休校・外出自粛要請 支援企画
【試写会レポート】 映画『瀬戸内海賊物語』子供の日“キッズイベント独占”親子試写会を開催! 参加された方の感想はこちら!
インタビュー後記
本屋大賞の「村上海賊の娘」、『グーニーズ』の続編と、立て続けに追い風の吹いている『瀬戸内海賊物語』。そのような発表がある前に試写を拝見させていただきましたが、本当に、とてもいい映画でした。冒険もの特有のスリルに爽快感、そして冒険後の成長などもしっかり描かれ、子どもと大人が、それぞれの視点で楽しめる映画だと感じました。5月5日の「子供の日」に開催した「『瀬戸内海賊物語』子供の日“キッズイベント独占”親子試写会」でも、ご参加いただいた方はみなさん同様の感想をお持ちで、お子さんの中には、繰り返し気に入ったシーンについて話し、興奮冷めやらぬまま、夜、眠りについたそうです。※試写会に参加された方の映画の感想はこちら!
宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』しかり、良くも悪くも、子どもは大人の都合の中で生きています。大人もまた、自分ではどうしようもない大人の都合の中にいるのですが、子どもが、自らの力で解決策を見つけようとするその姿やピュアな想いに、映画を観た大人も、そして子どもたちも何かを感じるはずです。
柴田さんのご両親は、まだ映画を観ていないそうです。全国公開を機に観られると思いますが、おそらくは普段とは少し異なる娘の成長をスクリーンで見るというのは、どういう気持ちなんでしょう。ご両親の感想も聞いてみたいですね。
大森 研一(おおもり けんいち)
映画監督、映像作家、脚本家。1975年愛媛県生まれ、大阪芸術大学卒。映像制作会社『合同会社ウサギマル』代表。映画を中心に、映像制作全般における企画から脚本・演出・編集までのすべてを手がける。また小説の連載などの執筆でも活動中。原案・脚本・監督を務めた冒険映画『瀬戸内海賊物語』が、2014年5月24日(土)から愛媛・香川・徳島で先行公開、5月31日(土)から全国で公開。
柴田 杏花(しばた きょうか)
1999年東京都生まれ。スターダストプロモーション所属。2009年度「りぼんガール」準グランプリ。TBS「JIN?仁?」(09年)、EX「ハガネの女」(10年)、WOWOW「贖罪」(12年)、KTV「幽かな彼女」(13年)など、ドラマ、CMで活躍中。『瀬戸内海賊物語』は初主演映画。
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