カラフルでプレイフル、子どもはもちろん大人も楽しめる展覧会!
「チームラボ」は、デジタル技術を使って独創的な事業を展開するウルトラテクノロジスト集団。彼らが制作した「学ぶ未来の遊園地プロジェクト作品」は、全国のたくさんの子どもたちを楽しませてきました。今回の企画展「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」は、そんな彼らの作品合計15点をたっぷり体験できる世界で初めてのイベントです。
チームラボ代表の猪子寿之氏は海外で大きな展覧会を開催したとき、美術館の中で子どもたちが走り回ってはしゃいでいたのに驚き、しかし一緒にいたスタッフのひとりが、自分の子どもにもこんな体験をさせてたいと言ったことがきっかけで、「未来の遊園地」というプロジェクトがはじまったと紹介。
日本では美術館と言うと気軽に子どもを連れて行って騒げる雰囲気ではありませんが、子どもが騒いだり走り回りながらアートに触れ、そこで感じた何かが未来につながる体験があってもいいと思ったそう。その言葉通り、同展では子どもたちが作品中に表示される絵や漢字を追いかけたり飛びついたり、まさにアートを楽しみながら体感していました。

アートは同じ空間にいる人間関係をポジティブに
猪子氏はデジタルを使ったアートは作品が個人だけではなく、同じ空間にいる人たちの関係性に何かポジティブな影響を与える可能性があると考えています。大人になると照れなどもあり、その関係性が出てくるまでに時間がかかりますが、会場内の子どもを見ていると、近くにいる子どもたちとすぐに一緒に遊びはじめ、猪子氏の考えの一端を垣間見ることができました。
自分の描いた絵の魚が大きなスクリーンで泳ぎはじめたり、積み木を置くとそこに線路や道路ができ、列車や車が走りはじめたり、叩くと色が変わったり音が鳴る光のボールによるオーケストラなど、カラフルでプレイフル、しかしその裏では高い技術が存在し、子どもはもちろん、大人も楽しめる展覧会。2015年5月10日(日)まで開催、おすすめです!

通路と無限に広がる空間により構成されたインスタレーション作品。東京に生息している花々をモチーフに、1時間を通して東京の1年間の花々が移り変わる。また鑑賞者の動きによって、いっせいに散り、生まれ、いっせいに咲き渡ったりする

「自然と文明の、衝突、循環、共生」をテーマにした絵物語の12幅からなる作品。剥落し(作品の表面が剥がれ落ち)、作品の裏側が見えていく

江戸時代中期の京都にて活躍した絵師・伊藤若冲(1716〜1800)の升目画(画面全体を数万もの升に区切って升目ごとに彩色する表現方法)は、どこかコンピュータのピクセルアートに通ずる。遠くで全体を見たときと、近くで凝視したときとで異なる変化を感じられる、高約5m、幅約20mの巨大なアニメーション作品

コンピュータ上の3次元空間に立体的に構築した世界を、チームラボが考える日本の先人達の空間認識の論理構造によって映像化。光の八咫烏(やたがらす)が空間を飛び回り、その軌跡が光跡となり光の空書を描く

手が文字に触れると、その文字が持つ世界が表れ、世界を創っていく。文字から生まれたものたちは、世界の中で、互いに影響し合っていく

積み木を置くと、積み木同士の間に線路や道路ができ、列車や車が走り出す。いろいろな積み木を置くことでたくさんの列車や車が走り、街がどんどん発展していく。子どもたちは同じ空間で、いろいろな積み木を自由に置くことで、いつの間にかみんなで街を創っている

叩くと色が変わったり音が鳴ったりする、光のボールによるオーケストラ。大きいボールは他のボールと連動しているため、ひとつを叩くと空間全体の色が変わる。子どもたちは同じ空間で全身を使いながら、大小さまざまなボールに触れることで、共同で空間の色を変化させながら、音楽を自由に奏でる

ブロックの凸と凹の面を組み合わせると、凸の面から凹の面へ情報を伝え、凹の面のブロックが色を変える。たとえば赤のブロックと青のブロックを組み合わせると紫になる。このように身体を動かしながら、色の変化の仕組みも体感できる

小人たちがテーブルの中を走り回わっているが、テーブルの上に手を置いたり物を置いたりすると小人が飛び乗ってくる。テーブルの上に置く物の形や色で、小人のアクションは変わり、たくさんの物を置くことで、世界がどんどん創られ、小人たちは大喜びで遊びはじめる

自分の描いた魚が、目の前の巨大な水族館で泳ぎ出す。描いた魚に触ることもでき、触られると魚はいっせいに逃げ出します。エサ袋に触ることによって、魚にエサをあげることもできる

○△□にうまく乗れると音が出て、床も美しくなる。同じ形や色など、関連性のある○△□に連続して飛び乗るとさらに美しくなる。□同士だと□のエフェクトが溢れるなど、子どもたちは身体を動かしながら遊べるほか、上級者は遊びながら瞬時に、空間を抽象化し関連性を見つけ出す訓練になる

クルマやビル、UFOや宇宙船など、みんなの描いた絵が3Dとなり、宇宙のまちをつくる。どんな絵を描くかによってまちは変化する。また車に触るとスピードが変わったりする